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2019.02.10

米軍医が撮った1951、石巻地方<53> ある日の国鉄石巻駅前

歩道の露天商と白衣の旅人

 石巻線石巻駅前のシーンです。わずかに見える駅舎東側に出札口と北側のホームに渡る跨(こ)線橋の階段、右端に見える建物は便所でしょうか。

 駅前道路・歩道の左右両側の緑地広場に樹木が見えますが、現在のバスプール付近です。露天商は歩道上で商い中です。当時は当たり前ですが、歩道営業は不法占有行為です。歩道上に見えるリヤカーと数台の屋台は露天商の車でしょう。おばさんはリンゴの販売中です。左側の竹籠は贈答用の入れ物で、昔を知る者には懐かしい籠です。

 リンゴ箱で休む旅人は手甲と脚半、白足袋にわらじ、白衣とすげ笠(がさ)からしてお遍路さんと考えましたが、輪げさや納札箱、金剛づえなどが見えないことから金華山参拝者でしょうか。

 バトラー大尉が発見した変わった衣装の日本人、白のワンピースに革靴の若い女性の買い物の光景も珍しく、このツーショット写真となったのでしょう。写真には白衣の旅人を含めて12人が映りこまれています。

 白衣からよみがえった記憶があります。筆者は太平洋戦争を知らない戦後生まれですが、祭りや花見などの時に、どこからともなくきて街頭に立つ白衣の傷痍(しょうい)軍人を覚えています。軍帽に白衣、松葉づえや義足姿で楽器を弾く足元に募金箱があり、頭を下げる姿がありました。

 後で聞くと国立病院や療養所で日常生活を送り、祭りや縁日になると病院の病衣姿で外出。通行人に金銭をもらって小遣い銭としたそうです。

 子どもだったのでしょう、手足を失った傷痍軍人の姿が怖い人に感じられた忘れられない記憶です。(郷土史家・辺見清二)


※米軍医が撮った1951、石巻地方<52> 割烹ことぶきの通り
http://ishinomaki.kahoku.co.jp/news/2019/02/20190203t13007.htm


<情報をお寄せください>
 掲載された写真は、撮影者の長男アラン・バトラー氏のウェブサイト「Miyagi 1951」で閲覧できます。https://www.miyagi1951.com/
 写真に関する情報は辺見氏 090(4317)7706 にお寄せください。


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