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2019.01.11

新時代へ・挑む[7] 奥松島果樹生産組合いちじくの里(東松島市)

モモを収穫する尾形さん=2018年8月

 「同じように被災した方々にモモを味わってもらい、『やればできるんだ』ということを感じてもらいたい」。東松島市宮戸のノリ養殖業尾形善久さん(72)は、力強く意気込みを語る。

 東日本大震災の津波で自宅は全壊したが、現地に再建。ノリ養殖は震災の年に再開した。「代々続いてきた農地をそのままにしてはおけない」と決心し2015年、被災した漁業者を中心にした「奥松島果樹生産組合いちじくの里」を設立。仲間と地元のために立ち上がった。

 「宮戸を訪れた観光客が、モモ狩りで味や景色を楽しめるようにしたい」。農地を観光果樹園としてよみがえらせ、多くの観光客を呼び込む未来像を描いている。

 16年に植樹作業を始め、3カ所計約3ヘクタールの土地にモモ140本、イチジク400本、カキ80本を植えている。現地に水路がないため、付近の井戸や野蒜地区のポンプ場に水をくみに行っている。モモの消毒作業については、10日おきに欠かさず実施する。「毎日の手入れが、収穫の際に結果として出るのでやりがいがある」と語る。

 初めての収穫は2017年。800個ほどモモが実を付けた。半分収穫し、もう半分は地元の子どもたちにモモ狩りを体験してもらう予定があったが、猿害により断念。対策として、マグロ漁師から譲り受けた漁網で果樹園を覆い、電気柵を設けるなどの対策を講じた。

 苗木を植えてから3年目になる18年の収穫量は、約9000個で、石巻青果花き地方卸売市場に半数を初出荷。残りは現地で直売したほか、地域住民や民宿に販売した。8月に奥松島縄文村歴史資料館付近で開いた即売会には、大勢の人が訪れた。「今年は木々が成長し、さらに倍の量になるだろう」と、尾形さんは期待する。

 「宮戸のモモは甘い。自信を持って提供することができる」

 現在、組合には70代を中心に8人が所属し、互いに助け合いながら活動を続けている。今年は、新たに2人がメンバーに加入予定。3月には、現在育てている品種「まどか」「くにか」に加え、早く収穫ができ、甘みが特徴的な「あかつき」を30本植樹する。

 「宮戸の地で収穫し、多くの人に認めてもらえるような農園にするのが理想。被災農地や耕作放棄地のモデルになるような取り組みをしていきたい」。尾形さんは、きらりと目を輝かせた。

※関連記事
「被災農地再生 東松島・宮戸産モモ、栽培3年目の実り 甘さ十分(2018.08.07)」
http://ishinomaki.kahoku.co.jp/news/2018/08/20180807t13004.htm


※新時代へ・挑む[6] マンガン酸リチウムイオン電池の製造販売 I・D・F(石巻市)
http://ishinomaki.kahoku.co.jp/news/2019/01/20190110t13008.htm


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