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2018.08.10

全建賞 特別枠・都市部門に東松島市野蒜北部丘陵の整備事業

事業手法などが高く評価された東松島市野蒜北部丘陵地区(中央部)

 県内最大規模の高台移転として今年3月まで実施された東松島市野蒜北部丘陵地区の整備事業が、一般社団法人全日本建設技術協会による2017年度全建賞(※注)の「特別枠・都市部門」を受賞した。長大なベルトコンベヤーによる土搬出での工期短縮などが認められた。

 同市関係の受賞は初めてで、新たなまちづくりに弾みがつきそうだ。

 全建賞は、道路、河川など7部門で全国の81事業が選定された。東松島市は、東日本大震災関係の復旧・復興事業特別枠で都市部門での受賞。受賞事業は、野蒜北部丘陵地区の復興市街地整備・災害公営住宅整備両事業で、独立行政法人都市再生機構(UR)と協定を結んだ同市と、UR宮城・福島震災復興支援本部が12年9月から手掛けた。

 選定について同協会は「市街地再建を住宅地、鉄道といった市街地機能の集団移転で一体的に実現したことに加え、造成時にベルトコンベヤー活用による工事の加速化などを高く評価した」と説明している。

 野蒜北部丘陵地の集団移転は土地区画整理、災害公営住宅整備など対象地区面積は90ヘクタールを超す大規模事業で、総事業費は約400億円。観光物産センターなどは基盤整備までURが担い、建物建設は市が直接実施した。

 事業で課題となったのが、丘陵造成に伴う切り土の量だ。東京ドーム約2杯分相当の約280万立方メートルを造成地区外に搬出しなければならなかった。通常の10トンダンプトラックを使用した場合、1日当たり1600台で、完了までに40カ月を費やす計算だった。

 市は、総延長約1.2キロのベルトコンベヤーを設けて1日当たり1万立方メートルの土を運び出し、工事期間を10カ月に大幅短縮した。完了後のコンベヤーの搬送路は、今後の津波発生時を想定して避難通路などに再整備し、有効活用している。

 こうした措置で、JR仙石線の復旧や震災被災者への宅地引き渡し時期を3、4カ月の前倒しで実現。地区内の宮野森小も予定通りに施設が完成、開校した。

 造成計画段階では、国の特別名勝松島の一角という点に配慮。造成地区の南側の山林を現況緑地として保全した。災害公営住宅の平屋や2階建ての戸建て、低層集合住宅で、建物外部の色使いも周辺環境に調和するデザインを採った。

 東松島市の相沢武志建設部長は「災害に強いまちづくりを目指した丘陵地での一体的整備が認められた。今後の復興事業の後押しにもなる」と話した。

(※注)全建賞:建設技術の発展を目指し1953年に創設。翌年に表彰が始まり、これまで2562事業が受賞した。65回目の今回は317事業の応募があった。国土交通省各担当部局の予備審査を経て、大学教授ら学識経験者を交えた本審査で選考、決定する。

◇平成29年度 全建賞
https://www.zenken.com/hypusyou/zenkensyou/h29/29_zk_midasi.htm#tosi2


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