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2018.04.14

記者が紹介・本の愉しみ 拡大版/今、“対談”が刺激的

 最近、書店で“対談”の本が目につく。全く分野が違う人同士の対談だったり、ありえない2人の組み合わせだったりと、いずれも刺激に満ちている。対談から世界が広がり、同時に深まる。

<美的センスない>

 「人間の未来 AIの未来」は、山中伸弥さんと羽生善治さんによる異色の対談。ノーベル賞科学者と将棋の史上最強棋士が、人工知能や進化するロボット、iPS細胞による最先端医療などを通じて、身近な暮らしがどう変わっていくのかを語り合う。

 美的センスについての話が面白い。AIと人間はどう違うのか。AIが一番、得意なのは「最適化」で、人間のような美的センスは持ち合わせていないという。棋士は対局中、この手、形は美しくない−と読んでしまう。これに対してAIは組み合わせの中から最も適した答えを見つける。そこに美へのこだわりはない。目から鱗が落ちる思いだった。

 対談は両者の差、比較だけで終わらない。その先を考える。棋士が美への執着を捨てたなら、AIが美的センスを持ったなら…と。10年後、100年後の世界を予言していく。本書の醍醐味がある。

<プーチン語りき>

 こんな顔合わせが実現するのかと、驚いた本が「オリバー・ストーン オン プーチン」だ。映画「プラトーン」「JFK」「スノーデン」などを監督し、トランプ政権にも批判的な米国人ストーン氏が、ロシアに直接出向き、クレムリンの大講堂で、ソチの避暑地で、プーチン大統領に取材。それは約1年8カ月にわたった。その時のドキュメンタリー映像の活字化である。

 ずばり、ウラジミール・プーチンかく語りき。「アメリカはロシアという外敵を必要としている」「クリントン大統領はロシアのNATO加盟を、いいじゃないかと、一度は言った」「ソ連崩壊後のロシアは、米国の同盟国として生きていこうとした」「私は慎重な楽観主義者だ」−など、報道などからは知ることができないプーチン大統領の本音?がのぞく。

 「ウクライナからクリミアを強引に併合した」といったような、西側世界によって作られたプーチン大統領へのイメージが揺らぐ。実際、ユーモアセンスの持ち主だった。

<国際情勢を切る>

 緊迫する国際情勢を、歯に衣を着せないで意見をぶつけ合ったのが「世界政治 裏側の真実」である。対談者は、評論家の副島隆彦氏と、作家で元外務省主任分析官の佐藤優氏。

 トランプ政権、北朝鮮問題、ロシアと中国、安倍政権などを俎上に取り上げて、その裏に隠された真実を暴いていく。世界を動かす真の権力者の姿が見えてくる。国際情勢そのものへの見方が変わる。アメリカによる北朝鮮への空爆はあるのか、といった過激なやり取りもある。

 日本国の国益、国民の利益を守ろうとする2人の言論人が、縦横無尽に今の国際社会を切る。(久)


■「人間の未来 AIの未来」(講談社、定価1400円+税)
■「オリバー・ストーン オン プーチン」(文藝春秋、定価1700円+税)
■「世界政治 裏側の真実」(日本文芸社、定価1500円+税)


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