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2018.03.11

記憶と教訓を後世にしっかり 被災地拠点、2団体の活動紹介

みらいサポート石巻が運営する施設の一つ「南浜つなぐ館」には、震災以前の南浜地区を再現した立体模型がある

3.11メモリアルネットワークの発足会合には、広域的な震災伝承に賛同する多くの人々が集った=2017年11月19日

 石巻地方には東日本大震災以降、NPOなど多くのボランティア団体が入り、炊き出しや泥かき作業からソフト事業までさまざまな活動を展開し、地域住民の復興を支えてきた。

 時がたち震災の風化防止がますます重要になる中、それぞれの団体が記憶と教訓をしっかり後世に伝えていこうと被災地を拠点に頑張っている。

 地域に根差して活動する二つの団体を紹介する。

   ◇

■語り部、3万人に届ける/公益社団法人みらいサポート石巻

 被災者の口から伝えられる「あの日」の出来事は、これまで国内外から訪れた3万人以上の人たちの耳に届いた。震災の記憶を後世に残す「語り部プロジェクト」。みらいサポート石巻が進めるメイン事業の一つだ。

 「二度とあんな思いをしたくないという地元の人の気持ちを伝え続けることが大事」。スタッフの藤間千尋さん(39)は7年を振り返って話す。

 震災直後に発足したNPO・NGO連絡会のサポートを経て、11年5月に一般社団法人「石巻災害復興支援協議会」を設立。初めは全国から訪れるボランティアの活動調整をする役割を担った。同年9月、石巻を訪れるボランティアを対象に語り部活動を始めてから徐々に独自の事業を拡大し、12年11月に現在の名称に改めた。

 今は地元スタッフによる語り部プロジェクトはもちろん、住民主導による地域活動のサポートや復興イベントへの参画、震災伝承スペース「つなぐ館」の運営など、支援内容は多岐にわたっている。

 今後の目標の一つは、被災地を訪れる幅広い年代に対応するため、語り部自身の世代を広げること。震災伝承を目的に昨年11月に設立された広域組織「3.11メモリアルネットワーク」の事務局にもなり、地域の中で連携強化に取り組む。

 藤間さんは「1回訪れた人に震災の全てが伝わるとは思わない。息の長い活動が必要だと思っている」と気持ちを引き締めている。


■広域的協力体制で伝承/3.11メモリアルネットワーク

 石巻市を会場に9日、メモリアルネットとして初めて主催した「震災伝承シンポジウム」は、災害を経験した地域からさまざまな取り組みや課題が紹介され、多くの参加者が意義深い一日を過ごした。

 パネリストは、戦災地の広島県や、震災地の新潟県中越、兵庫県、東北の各地域で減災や伝承に取り組む5氏。熱い討論の中から、開催意図でもある「地域や世代を超えた『伝える力』」について一定の共通理解を生むことができた。

 メモリアルネットは団体と官学、個人でつくる広域連携組織で「命をつなぐ 未来を拓く」をキャッチフレーズに2017年11月に発足。(1)連携と調整(2)企画、評価(3)人材の育成−を柱に、震災伝承拠点を結ぶ県内外のネットワーク形成を目指す。

 3月1日現在、個人会員221人と47団体が登録。石巻地方の関係者が多いが、岩手、福島の両県や東京、北海道、愛媛といった遠方からの参加もある。

 12年6月に設立された有志団体「石巻ビジターズ産業ネットワーク」が前身で、被災地での伝承活動を支えるには広域的な強い協力体制が必要との認識が広まりメモリアルネットワークにつながった。

 鈴木典行代表(53)は「なぜ伝承するのかという根本には、同じ悲劇を繰り返さないために学んでほしいという思いがある。伝承活動をするもの同士、横のつながりを保ちながら全国に発信していきたい」と話している。


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