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2018.02.09

石巻市議選5月告示 地方の人口減、歯止め策の議論を

 総務省が先ごろ公表した2017年の人口移動報告で、東京一極集中が加速していることが分かった。全市町村の7割強が転出超過の中で、東日本大震災の影響で人口減少が進む被災地にとって、地方の衰退につながる死活問題だ。

 任期満了に伴う石巻市議選(5月13日告示、20日投票)は、立候補予定者が地域の実情を踏まえた人口減対策について論戦を繰り広げ、地域やまち、住民らが活力を取り戻す「地方創生」を幅広い世代が考える契機としたい。

 人口移動報告によると、東京圏(埼玉、千葉、東京、神奈川)は転入者が転出者を11万9779人上回る「転入超過」だった。転入超過は22年連続で、超過人数は2年ぶりに増え、09年以降で最大という。転入超過が最も多い東京23区は6万1158人(仙台市は1724人の転入超過)。

 震災の被災3県(岩手、宮城、福島)はいずれも転出超過で、計1万4018人(前年比3826人増)。全1719市町村(東京23区は1市として集計)のうち、転出超過は1311市町村だった。

 少子化が進む中、全国47都道府県で出生率が一番低い東京に地方から若者が転入し、子どもの数が減るという悪循環に陥っている事態を、政府はもっと深刻に受け止めなければならない。

 県内で仙台市の転入超過は、肥大化する東北の中枢都市・仙台への一極集中の証しだ。震災後、被災地は人口流出が顕著で、関係自治体は危機感を強めている。

 石巻地方は生産年齢人口も減少し、地域経済を支える労働力の確保が喫緊の課題となっている。

 東京一極集中の是正に向け地方版総合戦略を策定した石巻市は、地方創生の前提となる復興まちづくりの着実な進展、人材を育成し安定した雇用の創出など四つの基本目標を掲げ、施策を進めている。

 若い世代の定着・定住に向けた環境を整えるため、子育て支援や女性の就業支援の強化などに力を入れる一方、都会からの移住者受け入れや、波及効果の大きい交流人口の拡大に取り組んでいる。

 今後、東京圏からの移住者を増やすには、石巻と関わり続ける「関係人口」に着目することが必要だ。地方に週末ごとに通ったり、何らかの形で応援したりする都市住民を指す。震災後、こうした人たちは増えており、地域づくりの協力者として注目したい。「観光以上定住未満」の層を呼び込み、地域やまちの活性化を目指す試みが、持続可能で発展するまちづくりを目指す最大被災地にとっても欠かせない。

 市議選は、人口減の危機を市民が共有し若い世代も巻き込んで、希望の持てる古里を創り出していく処方箋を真摯(しんし)に考え、議論していく機会としたい。立候補予定者の知見と政策立案能力が問われる。(浜尾幸朗)

◇住民基本台帳人口移動報告 平成29年(2017年)結果 | 総務省統計局
http://www.stat.go.jp/data/idou/2017np/kihon/youyaku/index.htm


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「石巻市議選 立候補予定の新人、10人に 試行錯誤で前哨戦奮闘(2018.02.06)」
http://ishinomaki.kahoku.co.jp/news/2018/02/20180206t13011.htm


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