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2018.01.12

石巻地方・特色ある教育、わが校の得意科目(8・完) 住吉小

交通安全による見守り活動に当たる高齢者。児童との交流の場でもある=2017年12月

<次世代支援へ住民が組織>

 地域との協働教育がクローズアップされているが、石巻市住吉小(児童146人)はその先駆者だ。登校時の児童の安全を確保する通学路の見守り、読み聞かせ読書ボランティア、茶道体験など、住民と学校がタイアップした活動は多岐にわたる。

 「1901年の開校以来、地域と共に歩んだ長い歴史がある」と石川伸二校長が説く。

 旧北上川下流域の住吉地区は、仙台藩時代に米蔵が立ち並び、石巻繁栄の礎となった土地柄だ。明治時代には地元の子どもたちを集めた私塾・私立義一学舎があり、当時から教育に対する住民の関心は高かった。

 33年には石巻地方で初めてコンクリート製の25メートルプールが設置され、36年には講堂が完成した。地域との絆の深さを象徴するのが、施設整備費の拠出の手法だ。現在の貨幣価値では数億円規模の費用を、地域の寄付で賄った。

 1500人の児童が在籍した時代もあった。少子化などで減少したが、地域の高い教育力は今も脈々と受け継がれている。既存の学校評議員会を母体に、地域の関係団体の代表らで組織する「これからの住小を考える会」がそうだ。

 「開かれた学校」づくりから一歩先を行き、次代を担う子どもの成長を地域ぐるみで支え、地域ならではの創意工夫や知恵を出し合い、魅力ある教育活動を掲げる。

 同会メンバーで学校支援の登録をする老人クラブ・住吉あたご会の小野泰佑会長(88)はクラブ会員と共に、学区内の交差点で登校する児童の交通事故防止に当たる。小野会長は「子どもたちは将来を担う大事な人材だ。今こそ地域を挙げて守り育てることが必要なのではないか」と、厳寒でも欠かさず街頭に立つ。

 地域住民との関わりが、児童の心に変化をもたらす。長橋理友(りとも)さん(6年)は「毎朝の交通安全活動に感謝の気持ちが芽生えた。互いにあいさつをすることで地域の方々との交流のきっかけにもなる」と笑顔で話す。

 佐藤夏音(かのん)さん(6年)も「住民の方を講師に茶道を体験したが、礼儀作法の大切さを理解できた。将来は地域の子どもたちの役にたちたい」と意欲を見せる。

 東日本大震災を教訓に、地域の防災士資格者を講師に迎え児童が防災マップ作りを進める。校舎3階の教室などは、学区内の地区ごとの避難所に割り当てている。地域にとっても学校はコミュニティーの中核的な存在なのだ。

 「教育に対する先人の思いを次世代につなぐことが重要。地域との連携は古里を愛し豊かな心を育む。良き伝統を守り質の高い教育を展開したい」。石川校長は力を込める。

※関連記事
「地域ぐるみで子育て 石巻・住吉小児童が茶道体験 指導は住職(2017.07.04)」
http://ishinomaki.kahoku.co.jp/news/2017/07/20170704t13010.htm
「心の復興へ 児童が宇宙スミレ植栽、育成誓う 石巻・住吉小(2016.06.14)」
http://ishinomaki.kahoku.co.jp/news/2016/06/20160614t13010.htm
「大阪の少年消防クラブ、石巻訪問 住吉小児童と防災交流学習(2015.09.02)」
http://ishinomaki.kahoku.co.jp/news/2015/09/20150902t13007.htm


※石巻地方・特色ある教育、わが校の得意科目(7) 宮野森小
http://ishinomaki.kahoku.co.jp/news/2018/01/20180111t13004.htm


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