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2018.01.10

あすに踏み出す<7> 耕す イシノマキ・ファーム 高橋由佳さん

北上産ホップを使った「巻風エール」について語る高橋さん=石巻市北上町女川のアオヤ

■イシノマキ・ファーム
 代表理事 高橋由佳さん(53)=石巻市北上町女川=

<農を通じ人と地域結ぶ>

 引きこもりの若者や高齢者が土に触れ、汗を流すうち、笑顔があふれる−。

 心のケアや就労を支援する認定NPO法人「スイッチ」の理事長として、2015年春から石巻市で農作業体験の場を設ける中、参加者が活力を取り戻す姿を目の当たりにした。

 農業を軸にした就労支援に本格的に取り組もうと拠点に選んだ北上地区は、東日本大震災で被災し、人口は7割以下に減り、空き家が増加。農業の後継者不足と、耕作放棄地の拡大という課題を抱える。

 「後継者不足に悩む地元と、社会復帰を目指す人や移住に関心がある人をつなぎ、農業の担い手を育成したい」と16年8月、一般社団法人イシノマキ・ファームを設立。17年9月、交流拠点として古民家を改修した農業体験型宿泊施設「ビレッジ・アオヤ」をオープンし、地元の農家3軒から畑計70アールを借りた。

 利用者はアオヤに泊まり、野菜作りや草取りなどを体験する。これまで、民間団体などから紹介された首都圏の若者や修学旅行の中学生ら計200人以上が訪れ、農作業を体験し、農家の話を聞いた。東京の30代会社員や定年を控え田舎暮らしを望む男性ら3人が移住を検討中という。

 新規就農を目指した移住が全国的に注目される一方、地域で孤立し続かない事例が少なくない。

 アオヤに宿泊後、本格的に移住を考える人には、空き家を改修したシェアハウスに住んで地元の農家で働きながら新規就農や農業法人への就職を目指すプログラムを用意。将来的には、別の空き家への定住を支援する。

 「畑にいると1日1回は声を掛けてもらえる。引きこもりの若者も、移住者も『ここにいていい』という実感が必要。地域に根差せるようパイプ役になりたい」と強調する。地域住民が農機で畑を耕してくれたり、おかずを作って届けてくれるなどの支えに感謝する。空いている畑を紹介されることも増えた。

 就労が困難な人々を雇用して収益を上げ、一般の労働者と対等に給与を支払うビジネスモデルを目指す。

 昨年、被災農地でホップを栽培。酒造会社に委託して石巻初の地ビール「巻風エール」を約200リットル試験醸造し、販売にこぎ着けた。北上をホップの一大産地にすることも目標だ。

 「北上地区で農業に携わる人を一人でも多く育てたい。人と地域の輪を広げ、共生できる社会の実現を目指す」

※関連記事
「農業学べる宿泊施設アオヤ完成 9月10日オープン 石巻(2017.09.06)」
http://ishinomaki.kahoku.co.jp/news/2017/09/20170906t13014.htm
「北上をビールの里に 石巻の法人、ホップ栽培計画始動(2017.02.23)」
http://ishinomaki.kahoku.co.jp/news/2017/02/20170223t13016.htm


※あすに踏み出す<6> 目指す 明秀学園日立高3年 平塚新夢さん
http://ishinomaki.kahoku.co.jp/news/2018/01/20180107t13009.htm


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