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2017.11.16

インタビュー>いしのまき・人模様 四季彩食 いまむら

今村正輝さん

◇「四季彩食 いまむら」店主 今村正輝さん(36)

<まちの復興、料理で貢献>

 ノドグロ、ボタンエビ、マグロ、ミズダコ…。新鮮な魚介が陶器の皿に並び、藻塩やピスタチオ酢みそ、大葉などを加えたバジルペーストのソースが添えられている。魚との相性を考え、おいしさを引き出す工夫が皿を彩る。

 石巻市中央2丁目にたたずむ料理店、「四季彩食 いまむら」。その味は評判を呼び、「ミシュランガイド宮城2017特別版」にも掲載された。

 店主の今村正輝さん(36)が料理に込めた思いを語る。「石巻の食材をおいしく提供したいんです。できれば、ここでしか食べられないものを…」

 魚の鮮度を保つため、神経締めという手法で処理された魚を提供する。死後硬直が遅れ、甘みが乗っているという。「知り合いの鮮魚店がいけすで飼う魚は、味わう時間を逆算してさばいてもらっています」

 土鍋で出す炊き込みご飯のコメは、石巻市蛇田の農家が作るササシグレ。ササニシキの父で、食味の良さから「幻のコメ」とされる品種だ。

 季節ごとに変わる旬の魚介、近郊の農家が作るコメや野菜、山の幸…。地元の彩り豊かな食材で客をもてなす。

 そんな今村さんは2011年5月、東日本大震災のボランティアとして石巻に入った。

 千葉県松戸市出身。大学を卒業した後、海外へ1年余り放浪の旅へ。英国から欧州を回り、中央アジア、東南アジア…。50カ国余りを旅し、各地で根付く食に興味を持った。

 「外を知り、日本に素晴らしい料理があると気付きました」。帰国後、料理人を志し、調理学校に入った。25歳だった。「家ではまともに包丁を握ったこともありません。だから両親も、料理人になるなんて信じてもらえませんでした」

 栃木県内の旅館で3年間、料理の基本を学び、東京・銀座の和食店で腕を磨く。3カ月後には別の店に移る予定だった11年3月、震災が発生。「何かしなくちゃいけない」。知人を頼り、石巻に来た。

 ボランティア団体で、がれきや泥の処理に汗を流した。商店街再起を手伝う「店舗再生班」の班長を任された。「当初はすぐ帰る予定でしたが、就職先の店に断りの電話を入れました」

 仲間と共に塗装や電気工事、大工仕事をこなし、12年3月末まで43店舗の復旧に携わった。蓄えは底をつき、アルバイトでしのいだ。「その頃、被災した蛤浜(はまぐりはま)の再生を目指す亀山貴一さんに出会い、カフェ『はまぐり堂』を開店する手伝いをしているうち、戻れなくなって…」

 そして何より、石巻市渡波出身でボランティア仲間だった妻由紀さん(29)との出会いが大きい。「自分の店を構えるという夢を石巻で実現しよう、と思うようになりました」

 資金はなく、商店街の店主たちが金融機関に掛け合ってくれ、9カ月の交渉の末、融資を受けた。店は、100人以上のボランティア仲間が改装。土壁は石巻市北上町の土を使い、テーブルやカウンターの木材は牡鹿半島から。手作りの店は13年4月26日にオープンした。

 来年6月ごろ、店を3カ月ほど休み、新たに改装する予定。その間、妻と日本を巡る。「各地の料理をしっかり勉強してきたい」

■いまむら・まさてる
 1981年3月、千葉県松戸市生まれ。千葉商科大商経学部卒。海外を旅した後、東京都内の調理教室で学び、料理人の道へ。2012年4月に住民票を石巻に移した。今年7月に結婚。石巻市鹿妻で妻と2人暮らし。趣味は旅。「四季彩食 いまむら」の営業時間は午後6〜11時。日曜・祝日定休。連絡先は0225(90)3739。

◇四季彩食 いまむら http://imamura-ishinomaki.com/

(古関良行)


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