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2017.11.02

芝居で街中を熱くするぞ いしのまき演劇祭あす開幕 7団体参加

第2回いしのまき演劇祭に情熱を注ぐ矢口さん(左)と芝原さん=石巻市中央2丁目、IRORI石巻

演劇祭をPRするため石巻市の街中で活動する実行委員ら

「修学旅行」を熱演するスイミーは まだ 旅の途中のメンバー=3月19日、石巻市

会場となる東松島市に8月、下見に訪れた、うさぎストライプ演出家の大池さん(左)と女優の菊池佳南さん

 第2回いしのまき演劇祭(実行委員会主催)が3日に開幕する。

 26日までの土・日曜、祝日をメインに、地元をはじめ県内外から合わせて7団体が参加。約1カ月にわたって石巻と東松島の2市を会場に、演劇の力で街中を活気づける。

<対談>

 東日本大震災の被災から復興に向かう石巻地方を、演劇の面白い街にしようと張り切る実行委員ら。代表の矢口龍汰さん(34)=石巻市=と、副代表でコマイぬの芝原弘さん(35)=東京都=に演劇祭にかける思いを語ってもらった。

芝原>東京にいても、いしのまき演劇祭に興味を持っている劇団関係者の声が耳に入ってくる。

矢口>手応えを感じている。石巻を中心に、新しい演劇文化を発信していきたい。

芝原>今年はリボーンアート・フェスティバル2017といったイベントもあった。音楽の街、アートの街と、いろんな枕詞が石巻に付くようになってきた。演劇祭で、被災の街・石巻というイメージを変える動きになれば。演劇の面白い街と呼ばれるようにしたい。

矢口>石巻は昔から芝居をする、芝居を楽しむ土壌があったのでは。今、地元には二つの劇団がある。若い人たちもいる。演劇に対するそれぞれの世代の情熱が交じり合って生まれたのが、いしのまき演劇祭のような気がする。

芝原>よそとのつながりも広がっている。今年も参加7団体のうち、地元以外が5団体。特に仙台の劇団が興味を持っている。石巻で公演したい、と。復興に向かう石巻を知ってもらう機会になる、街に活気も生じる。

矢口>これまでは石巻から仙台へと流れていた。ところが仙台圏から石巻に来たい、と。新しい流れが石巻の演劇文化を培っていく。そこに関わっていきたい。

芝原>仙台の役者が、石巻の劇団に客演する。劇団同士、役者同士が交流する。これまでにない動きが出てきそうだ。演劇祭を通じていろいろなジャンルの人と関わり、つながっていくことが街の活性化にもなるはず。

矢口>街の中にあるものを生かすことも、一つの街づくりであることに気づいた。被災した街中で演劇をやるということは、ステージ代わりとなる会場をまず探しだすことだった。東京や仙台から、自分たちの劇に合った会場を探す劇団関係者の姿が見られた。自分たちの手で自分たちの劇場に作り替える。本当の意味で演劇の面白い街になるのでは。

芝原>石巻ならではの演劇文化を育てる。そのためには脚本を書ける人や演出をできる人が少ない。そうした人材を育てることも、いしのまき演劇祭の役割かもしれない。これからの課題だ。

矢口>石巻に帰って来て、郷土の歴史や先人たちの存在を知る機会が増えた。日本人で初めて世界一周したのが石巻の若宮丸の乗組員だったことや、戦争で夢を絶たれた彫刻家の高橋英吉のことなど。いつかそれらを題材に劇にしてみたい。石巻独自の演劇祭に育っていくのでは。その前に、2回目を迎えるいしのまき演劇祭で石巻の街を盛り上げたい。

■いしのまき演劇祭
 昨年7月「土・日曜は芝居を見に行こう」をコンセプトに、1カ月にわたって初めて開催。震災後に石巻に設立された劇団や、震災をきっかけに石巻に関わるようになった劇団が核になって企画。7劇団が参加、来場者は延べ500人を超えた。被災地としての石巻ではなく、“演劇の街”として全国に発信していくことを目指している。

 連絡先は副代表の芝原さん090(4041)8168。総合窓口は石巻まちの本棚(中央2丁目)。開館は土、日、月曜の3日間(午前11時〜午後6時)。連絡先は0225(25)4953。


<上演予定 3〜26日>

3・4日【市民劇団夢まき座】
▽2日間とも午後6時半(宮城クリニック2F、中里7丁目)
▽演目「音楽と演劇の夕べ」
▽料金は一般1500円、中学生以下500円

5日【名取リーディングクラブ】
▽午後1時(IRORI石巻、中央2丁目)
▽演目「海辺のまちの、ちいさな家族の物語「ファミリーツリー」朗読
▽無料

5・6日【feblabo】
▽5日午後6時半(レストランいち、千石町)、6日午後7時半(ロングビーチハウス、渡波浜曽根)
▽演目「日曜日よりの使者」ほか
▽料金は5日3000円、6日2000円

11・12日【LondonPANDA】
▽11日午後7時、12日午後1時、4時(日活パール劇場、中央1丁目)▽演目「ROOM」▽料金は一般2000円、学生以下1500円

18・19日【うさぎストライプ】
▽18日午後3時半、6時半、19日午後1時半(蔵しっくパーク、東松島市矢本)
▽演目「ゴールデンバット」
▽料金は一般1500円、高校生以下500円

23日【コマイぬ】
▽午後2時、7時(ガルバナイズギャラリー、中央2丁目・パナックけいてい)
▽演目「ラッツォクの灯」(熊谷達也著「希望の海 仙河海叙景」より)
▽料金は2500円

25・26日【スイミーはまだ旅の途中】
▽25日午後7時、26日午後1時、5時(Destiny45、成田)
▽演目「依存はカルトに、転嫁は維新に」「冬至の夜の夢」
▽料金は前売り1500円(当日2000円)


<参加団体>

【いしのまき市民劇団夢まき座(石巻市)】
 2011年、東日本大震災の年の夏に発足。10代から70代までの幅広い年齢層で構成。「大人が夢を語れる」「地域に根付いた活動」をスローガンに稽古(毎週金曜)に励んでいる。今年5月、顧問で女優の三國裕子さんが一人芝居に挑んだ。

【名取リーディングクラブ(名取市)】
 県沿岸部出身者が震災で失われた故郷を記憶に留めておくために書いた戯曲「ファミリーツリー」を朗読する団体。16年に発足。故郷を思い出し、亡くなった人たちと心の中で対話する時間を持てるように願い、悲しみが少しで軽くなるように願い活動している。

【feblabo(東京都)】
 06年から東京の小劇場で活動する池田智哉による企画プロデュースユニット。毎回、脚本家を招き、池田が演出するスタイルをとる。脚本を重視し、深く読み込み、空間とそこに存在する俳優と役割を掘り下げていくことで、「嘘のなさ」を引き出す演出が特徴。

【演劇企画集団LondonPANDA(仙台市)】
 07年に東京・下北沢で大河原準介が旗揚げしたプロデュース公演ユニット。「ポップ・ブラック・シュールな笑い」を合言葉に、毎回“近所にいそうだけど見たことはない人々”をモチーフに作品を紡ぐ。16年、活動の場を地元・仙台に移す。若手演出家コンクール2016で優秀賞受賞。今年7月、仙台で「生きてるくせに」を上演。

【うさぎストライプ(東京都)】
 10年12月、青年団演出部に所属する劇作家・演出家の大池容子が中心となって結成した団体。13年9月、地下鉄サリン事件を遠景に、交差する人々の思いを描いた「メトロ」を上演。大池が芸術監督を務めるアトリエ春風舎(東京都板橋区)を拠点としながら、各地で公演を行っている。

【コマイぬ(石巻市・東京都)】
 黒色綺譚カナリア派に所属する芝原弘によるユニット。13年から都内と故郷である石巻市で定期的な公演を行っている。劇場に限らずカフェ、ギャラリー、古民家、倉庫などを会場とし、石巻地方での演劇文化の常在を目標にしている。よみ芝居「あの日からのみちのく怪談」を石巻や女川で上演、東京でも反響を呼んだ。

【スイミーはまだ旅の途中(石巻市)】
 15年3月、演出家で初代・演劇祭実行委員会代表の都甲マリ子によって立ち上げられた。「楽しく泳げる水槽」をコンセプトに活動、ワークショップなども開いている。今年3月、全国高校演劇発表会で最優秀賞を受賞した「修学旅行」(畑澤聖悟作)を地元で上演、好評を博した。


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