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2017.10.12

インタビュー>いしのまき・人模様 石巻子ども劇場

杉山まき子さん

◇石巻子ども劇場運営委員長 杉山まき子さん(53)

<心の豊かさ育む>

 「優れた生の舞台芸術の鑑賞と、親子が主人公の自主活動を通して子どもと大人が育ち合う会が、石巻子ども劇場です。豊かな子育てをしたい、子どもを取り巻く文化環境を良くしたい、と願うお母さんたちの情熱で始まりました」

 全国組織の石巻版で、1982年11月に発足し、間もなく35周年を迎える。鑑賞会と自主活動が二本柱。年3回(10月、1月、5月)の鑑賞会では、人形劇、舞台劇、音楽会などを開催。自主活動は、キッズフェスティバル、デイキャンプ、ハイキング、クリスマス会など、季節ごとに多彩な活動を繰り広げている。

 心に残る作品との出合い、学区を越えて仲良くなれる人との交流の場になっている。

 杉山さんは4人の子どもの母で、「子育て中のお母さんたちと接点を持ちたい」と18年前に、石巻子ども劇場の会員となった。「毎月届く通信を見ながら鑑賞会を楽しみに過ごしているうちに、先輩の運営委員の勧めもあり、いつの間にかスタッフ(運営委員)になっていました。学び、得るものが多くありましたので、自分ができることで貢献できればと思いました」。委員長には2009年10月に就いた。

 同劇場も、東日本大震災の影響を受けた。「会員の多くが被災し、6カ月間、休会を余儀なくされました。各県の子ども劇場から生活物資を届けていただくなど、関係機関の支援により活動を再開できました。心の結びつきをこれほどうれしく感じたことはありませんでした」

 震災後は、会員同士のためだけでなく、石巻地域の子どものために公開する支援公演が多くなっているという。

 「石巻には子どもに特化した団体がありますので、横の連携を大事に力を結集し、活動を展開していければいいのではないかと考えています」

 11月19日は、石巻高出身の末永克行さんが代表を務める劇団たまっ子座による太鼓ライブ「輪になれ」を、石巻市北村の遊楽館で開催する。

 8月に、事前ワークショップを渡波小講堂で開いたが、子どもたちは失敗を恐れず、自分の思いを自由に表現するなど、有意義な時間になったという。

 運営費は会費で賄っているが、会員数の減少が課題となっている。多いときは700人ほどいたが、現在は約70人。「少子化もありますが、子どもたちは習い事やスポーツ少年団活動などで忙しいのが要因とみられます。子どもたちは離れても、活動の大事さなどを理解している親御さんが会員となっており、約半数を占めています」

 鑑賞会などを通して、子どもたちの成長が見られる。「感想を聞くと、徐々に視野が広がっているのを感じます。子どもたち自身も準備や進行、受け付けなどを担うことで、さまざまなことを学び取っています。充実感、満足感を表情から感じ取れることがうれしいですね」

 会員の要望を受け会費(4歳以上)の見直しを行い、今月から一律1000円だったのを、家族であれば2人目から500円に値下げした。経済的負担を考慮した措置だ。

 「これからも、復興の担い手である子どもたちにとって文化芸術が豊かな想像力を育み、あすを生き抜く力になることを信じながら一歩ずつ歩みを続けていきたい」

■すぎやま・まきこ
 1963年12月、石巻市生まれ。石巻女子高(現好文館)、盛岡大卒。岩手県で小学校教諭を10年間務めた。石巻地方では講師として釜、湊二、小野の3小に勤務した。アカペラが趣味で、仙台合唱団「若☆Z」(わげすたーず)に所属している。夫、両親、子ども4人の8人家族。石巻市高木内田。

(伊藤浩)


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