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2017.09.02

石巻・中瀬に特設テント オペラ「四次元の賢治」、600人楽しむ

市民が4次元的な世界観を堪能したオペラ

 宮沢賢治の作品をベースにした宇宙がオペラになって、夏の夜の中瀬公園に出現した。石巻市の特設テントで8月29、30の両日に上演されたオペラ「四次元の賢治」で、「リボーンアート・フェスティバル(RAF)2017」の一環。2日間で市内外から約600人が詰め掛けた。

 死者や動物など人間界のほかのものも生活領域に取り込んだ4次元的な世界観が、東日本大震災からの復興に向けて歩み出した市民の心を捉えた。

 オペラ「四次元の賢治」は、脚本を思想家で人類学者の中沢新一さん、音楽をRAF実行委員長で音楽プロデューサーの小林武史さん(新庄市出身)が、それぞれ担当。いずれも歌手のオオヤユウスケさん、Salyuさん、佐藤千亜紀さん、桐嶋ノドカさんの4人が出演した。

 石巻近くの北上川下流を舞台に、幼い川ガニの兄弟と、鉱物採集で石巻を訪れた宮沢賢治らが織りなす物語を歌い上げた。

 「クラムボンはわらったよ、ぷくぷく」
 「クラムボンはわらったよ、かぷかぷ」

 賢治作品独特のオノマトペ(擬態語や擬声語などの総称)が、流麗なオペラになって巨大テントに響き渡った。

 地球上にあるもの全てを慈しんだ賢治の宇宙観を追究したオペラ「四次元の世界」。中沢さんによると今回は第1幕で、第3幕まで構想しているという。

 セリフのない光と音によって、ステージ上に新たに創造された空間が、観客の心をもう一つの賢治の世界に誘った。会場の中瀬公園が旧北上川が流れる中州にあることも、より雰囲気を盛り上げた。

 石巻市の40代会社員女性は「賢治の詩にすてきな曲が付き、幻想的な空間を楽しむことができた」と話した。

 石巻市の70代の女性は「人間だけでなくチョウやモノ全てを包み込んだのが4次元という世界観に感動した。今後、どんな賢治の世界を見せてくれるのか、とても楽しみ」と語った。

 RAFは、石巻市を中心に開催中のアートと音楽、食の総合祭。全国から観光客や若者らが訪れており、復興に向かう街中に活気をもたらしている。会期は10日まで。

◆post rock opera 『四次元の賢治 −第1幕−』| Reborn-Art Festival
http://www.reborn-art-fes.jp/events/post-rock-opera/


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