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2017.03.12

慰霊碑除幕 「早ぐ逃げっぺす」教訓刻み、伝承誓う 石巻

慰霊碑の前で犠牲者の冥福を祈る参列者

 東日本大震災から6年の11日、津波で住民201人が亡くなった石巻市上釜地区で、犠牲者を悼み、震災の教訓を伝承する慰霊碑の除幕式があった。上釜町内会が、川村孫兵衛の墓所(新館2丁目)近くにある高台の公園に建立した。

 関係者や遺族約300人が参列し、鎮魂の祈りをささげ、地域の再生を誓った。

 御影石製の慰霊碑は、津波をイメージして波形の石を2枚重ねたデザインで、高さ2メートル、幅3.2メートル。頂点は津波の高さと同じ海抜4.8メートルに合わせている。

 左側に「まづは自分の身を守り、揺れが収まったらば外さ出で早ぐ逃げっぺす。北にある橋を渡れば命は守れっど」と、新館3丁目の民生委員吉田忠雄さん(64)が考えた震災の教訓を刻み、右側には地区の犠牲者数などを記した。

 中央には犠牲者のみ霊を表す球体を置き、いつでも参拝できるようにした。

 慰霊碑のそばには高さ1メートル、幅1.6メートルの石碑も2基設置し、遺族の了解を得た161人の犠牲者の氏名と年齢を刻んだ。

 除幕式で、鈴木喜美男会長(74)は「生かされた者があの日何があったか、同じ悲劇を繰り返さないよう、命の尊さと地域全体で防災意識を高めていくことを後世に伝えていかなければいけない」と語った。

 遺族を代表し、祖父孝衛さん=当時(72)=と祖母とく子さん=当時(64)=を亡くした釜小5年阿部充樹(みつき)君(11)が「心の中に2人がいるから学校生活を頑張れる。一緒に過ごせた時間はとても短かったけれど、ありがとうと言いたい。精いっぱい生きることで恩返しをしたい」と述べた。

 慰霊碑の前で全員が献花。深く頭を垂れ、手を合わせ、一人一人が無念の思いで亡くなった人たちの冥福を祈った。

 上釜地区は震災前1000世帯約3000人が生活していた。震災後、世帯数は減り、現在約600世帯約1800人が暮らしている。


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