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2017.03.03

桜坂高の武山さん、思い発信 先輩らに共感し「震災語り部に」

語り部を始めた武山さん。大曲小の被災写真などを見せながら震災の記憶を語る

 東日本大震災から間もなく6年。震災の記憶を語り継ぐ「語り部」活動に、東松島市で被災した石巻市桜坂高1年の武山ひかるさん(16)=東松島市あおい=が意欲を燃やしている。

 「あの日」は大曲小4年生で、津波被災の現実を目の当たりにした。東松島の先輩らが語り部として思いを伝える姿に共感し、昨年夏に活動を始めた。「聞いてくれた人の心に少しでも印象に残ってほしい」と決意を新たにする。

 震災が発生した2011年3月11日は、迎えに来た母親らと市鷹来の森運動公園に逃げた。津波の詳しい情報が分からず、午後6時ごろ、大曲小から徒歩5分以内にあった自宅へ戻る途中、押し寄せた泥水に車が突っ込んだ。一時は、大曲浜でノリ養殖を営む父親と連絡が取れなくなったが、避難所の石巻市広渕小で再会。自宅は全壊し、11年5月に市内の仮設住宅へ入った。

 「東松島のために何かできないか」と考え、大曲小6年のころからボランティア活動に参加するなどの活動を始めた。

 矢本二中に在学中、小中の先輩で石巻高2年の雁部那由多さん(17)と津田穂乃果さん(17)、石巻西高2年相沢朱音さん(17)が、書籍「16歳の語り部」を出版したことや、震災当時野蒜小6年生だった女子高生たちが「TSUNAGU Teenager Tourguide of NOBIRU(TTT)」として語り部をしていることを知った。

 同級生が語り部をしていたことも背中を押した。桜坂高に入学後、夏休み前に語り部として活動する決意をした。昨年8月、東松島市と東京で計3回語り部をした。

 東京ではTTTのメンバー尾形祐月さん(18)=仙台白百合学園高3年=と初めてペアを組み、港区防災士研修会の講師を務めた。「先輩は冷静に話していた。学ぶところがたくさんあった」

 東京での活動後、TTTの一員で高校の先輩でもある桜坂高3年小山綾(りょう)さん(17)から、「しっかり前を向いてゆっくり話すと伝わる」と助言され、「自分も考えや思いをしっかりと伝えたい」と強く思った。

 震災で亡くなった友人や知人もいる。「震災後、後悔したことがたくさんあった。感謝を伝えるとか、もっと話せることがあったんじゃないか。そういう思いを他の人にしてほしくない」。震災の記憶を語り継ぎ、誰かの心に思いが届くことを願っている。


※関連記事
「『16歳の語り部』出版 高校生、被災体験つづる 大曲小に寄贈(2016.03.22)」
http://ishinomaki.kahoku.co.jp/news/2016/03/20160322t13004.htm
「子どもたちの3.11(2) TTT斎藤茉弥乃さん、体育館で波かぶる(2016.03.02)」
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