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2017.01.07

生者と死者、関わり考える 「震災学」第9号発行 東北学院大

「死者と生者」に関する特集などを掲載した「震災学」第9号

 東日本大震災が突き付けた社会的な問題や課題を考える雑誌「震災学」(東北学院大発行)第9号が発刊された。第1章「霊性を読み解く」は、「生者と死者」との関わりについて考える。「震災による死」に当事者たちはどう向き合い、何を感じてきたのか。

 今年の「3.11」は震災犠牲者の七回忌。節目を前に示唆に富む報告が載る。

 第1章は、昨年2月に開催されたシンポジウム「霊性を読み解く〜タクシーの幽霊現象の反響と課題」の発表を収めた。

 工藤優花さんは東北学院大で学生時代、石巻で1年間にわたり、タクシー運転手らに怪奇現象の体験を聞いた。幽霊を乗せたなどという現象は夢ではなく、乗車記録などで裏付けられるという。「未練がある人がいて当然だ」。運転手らは体験を温かな気持ちで受け入れ、畏敬の念を抱いていた。工藤さんは、運転手らが死者の無念の思いの受け皿になったとしている。

 仙台市の出版社「荒蝦夷(あらえみし)」の土方正志さんは、震災前から取り組む「みちのく怪談プロジェクト」について紹介。「怪談は慰霊と鎮魂の物語」として、その背景を語る。東北大大学院の鈴木岩弓教授は「死者と生者の接点」について報告している。

 本書は5章構成。第2章「被災地からの発信」は熊本地震を取り上げ、地元新聞記者のリポートや地震のメカニズムについて掲載した。第5章「うかび上がる地域の課題」では、女川町を例に復興と企業経営を考察している。

 A5判、217ページ。1944円。

 連絡先は東北学院大学長室事務課022(264)6424。


◇総合学術誌『震災学』vol.9|東北学院大学
http://www.tohoku-gakuin.ac.jp/research/journal/shinsaigaku/09.html


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