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2016.12.10

見守り観音堂、完成 震災犠牲者を供養 石巻・洞仙寺

完成した見守り観音堂

お堂に安置された観音様と八巻住職

 東日本大震災で被災した石巻市桃浦にある曹洞宗洞仙寺の敷地内に、震災犠牲者を供養する「見守り観音堂」が完成した。長野県佐久地方の有志でつくる「見守り観音堂建立の会」をはじめ、全国の約4万2000人から寄せられた寄付で造られた。

 亡き人を思いながら「復興」へと進む被災者の心のよりどころとして、被災地をとわに見守り続ける。

 観音堂は木造平屋方形造りの約70平方メートル。6メートルほど盛り土し、造成した土地に建てられた。

 建設のきっかけは、震災後の2011年3月末、長野県の大林寺、蕃松院の住職増田友厚さん(69)らボランティアが支援物資を持って被災地を訪れたこと。石巻市の広渕寺に立ち寄った際、奥野昭典住職(52)から「半島部は物資不足のようだ」と聞き、牡鹿方面に向かい、荻浜小の避難所で洞仙寺の八巻芳栄住職(66)と出会った。

 洞仙寺本堂は震災の津波で甚大な被害を受けたが、唯一残った屋根の梁に観音像が横たわっていた。何度も支援に訪れる中で「奇跡」の話を聞いた増田さんらは「皆さんを見守り、犠牲者を供養するお堂を造ろう」と、13年に「見守り観音堂建立の会」を発足させた。

 建立に向け趣旨に賛同する善意の輪は全国に広がり、建設資金約5300万円が集まった。観音堂建設のほか、増田さんら賛同者は青森、岩手、宮城、福島、茨城、千葉の津波被災6県の海岸約60カ所で震災犠牲者の法要をし、浜辺や周辺で拾い集めた2万個以上の石一つ一つに写経して、観音様の元に「浄石奉納」として納めた。

 落成式が11月中旬にあり、長野県からも多くの出席者が集まった。

 奥野住職は「観音様が被災者の希望になったらいい。自分のありようを見守ってくれる存在になってもらえたら」と話す。

 洞仙寺では檀家を中心に「観音堂見守り会」が発足。八巻住職は、月命日の11日がお参りするきっかけの日となるよう催しを考えていきたいという。「皆さんの思いを携えて、できる範囲のことをやっていく」と語る。

 「全国の方が被災地のことを思っているし、忘れてはならないと思っている」と増田さん。「これからも被災地の皆さんと関わっていきたい」と言う。

 見守り観音堂を訪れる時は、洞仙寺へ事前に連絡する。連絡先は0225(90)2758。


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