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2016.11.22

苦境の宮城県産ホヤ<6> 県内(中)消費拡大に新商品開発

食べきりサイズのホヤ商品を持つマルキ遠藤商店の遠藤代表

「いしのまき大漁まつり」でホヤの酒蒸しを販売する宮城水産高の生徒。定番商品のほか、新しい食べ方を提案した=10月16日、石巻魚市場

 ホヤの国内消費拡大を目指し、石巻地方の水産会社や高校などが新商品開発に取り組んでいる。

 生食中心だった食べ方を、洋風などさまざまにアレンジ。少人数世帯の増加を背景に、食べきりサイズのパックを登場させるなど、あの手この手で多くの人にホヤを食べてもらおうと躍起になっている。

 昭和元年(1926)創業の海藻問屋、マルキ遠藤商店(石巻市寄磯浜)は、主力のワカメ販売に加え、東日本大震災後はホヤの加工品開発に力を入れる。

 震災前、生鮮ホヤの生産量は年間100トンと地区内ではそれほど多くはなかったが、ほとんどが韓国向けだった。輸出禁止に伴い販売先がなくなり、国内の販路拡大に方針を転換せざるを得なくなった。

 被災地を取り上げたテレビ番組の取材をきっかけに、さまざまな食べ方を考え、生ホヤ、蒸しホヤ、塩辛、特製酒かすを使ったかす漬けを、ネットや首都圏の百貨店で販売している。年内にはコメ油とオリーブ油を合わせたオイル漬けを発売する。

 遠藤仁志代表(53)は「首都圏のニーズに対応する必要がある」と、次女裕子さん(26)が通う武蔵野美術大の協力を得て、2014年に自社ブランド「YORIISO」を確立。かわいらしいロゴやパッケージを作り「よりいっそうおいしく 石巻寄磯浜」として売り出した。サイズも100グラムと食べきりタイプになっている。

 妻で総務部長の由紀さん(53)は「素材が新鮮だから石巻では、そのまま食べるが、一工夫するだけで可能性は広がる」と魅力を語る。

 宮城水産高(生徒375人)ではフードビジネス類型と調理研究部の生徒が、ホヤ味のみそおにぎり「伊達なホヤむすび」の商品化を狙って企業とタイアップ。若者にも味わってもらうためコロッケやクリームパスタなど新しい食べ方を提案している。

 担当する油谷弘毅教諭(39)は「ホヤを食べてもらうことを発信し続けることが、国内消費の拡大に向けて大切」と継続の重要性を訴える。

 韓国への輸出を手掛けていた本田水産(石巻市)は、扱いがストップしたため売り上げが2割減った。本田太社長(65)は、販路開拓に向け石巻や県内はもとより、名古屋市など全国の商談会に足を運ぶ。

 「東京やホヤの味を分からない大阪など関西の人に積極的に売り込んでいる。大消費地や関西圏へのPRを強めていくことが国内消費の拡大につながるのではないか」と指摘する。

 業界をはじめ各方面のさまざまな地道な取り組みが奏功して、ホヤの国内売り上げは少しずつ増えてきた。消費者に支持され、世代を超えて浸透していくためにはこれまで以上に一層の連携が不可欠だ。(今野勝彦)


※苦境の宮城県産ホヤ<5> 県内(上)仲買との関係再構築を
http://ishinomaki.kahoku.co.jp/news/2016/11/20161120t13005.htm


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