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2016.08.14

帰ってきた小船〜東日本大震災と「第2勝丸」の奇跡 (1)

絵・石川かおり

 東日本大震災から5年の3月11日。津波で漂流し発見された、石巻市雄勝町波板の和船「第2勝丸」がハワイ州オアフ島から奇跡の帰還を果たした。船は今、震災遺構として波板の海の見える場所に置かれ、「物言わぬ語り部」として震災の教訓を伝えている。

 歴史的にも珍しい貴重な出来事だけに、多くの子どもたちの記憶にも残してもらいたい、との思いから「帰ってきた小船」と題して、一連の経過を童話風に再現した。(伊藤浩・7回続き)

  ◇

 青い海が目の前に広がる漁村(ぎょそん)

 心優(やさ)しいおじいさんとおばあさんが住んでいた

 釣(つ)りをしたり、
 畑仕事をしてのんびり暮(く)らしていた


 ある時、おじいさんが病気で死んだ


 悲しみにくれていた数年後、
 大きな地震(じしん)が漁村を襲(おそ)った

 間もなく「ごぉー」というとても大きな音ともに、
 大津波(おおつなみ)が押(お)し寄(よ)せてきた

 「逃(に)げろ」

 「山に逃げろ」

 住民(じゅうみん)たちは高いところに急(いそ)いで逃げた


 しかし、
 おばあさんは逃げ遅(おく)れ、
 波にのまれた

 おうちも、
 おじいさんが大切にしていた小船も、
 流された


 住民たちは涙(なみだ)を流し、
 恐(おそ)ろしさに体を震(ふる)わせた

 これまで何度も津波が来ていたが、
 これほど大きな津波が来るなんてだれも思っていなかった


 この地震と大津波は、
 「東日本大震災(ひがしにほんだいしんさい)」と名づけられた


(いしかわ・かおり/仙台市在住のファンタジー画家。パリやミラノなど国内外で個展を開催。絵画講師を務める傍ら、オリジナル雑貨「アトリエKAORI」を運営。自作物語と絵による朗読舞台のプロデュースや出演のほか、作詞、演劇舞台とコラボ、作画協力など幅広く活躍している。)


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