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2016.08.13

冊子「おがつ いしのわノート」完成 産業、暮らし、歴史満載

石産業、暮らしの歩みなどをまとめた「おがつ いしのわノート」

 石巻市雄勝町を支え続けてきた硯(すずり)やスレートを主体とする「石産業」の歴史や浜の暮らし、文化などをまとめた冊子「おがつ いしのわノート」が完成した。

 13日、東日本大震災で地域を離れざるを得なかった住民らが墓参りなどで古里に戻る旧盆に合わせ、寺院などで配布を始める。関係者は「地域の産業と暮らしを学び、記憶をたどることは、復興を前に進める力になる」と話し、より多くの人の手に届けたい考えだ。

 ノートは、石産業の復活と地域の復興支援を考えてきた東北工大と雄勝硯生産販売協同組合などでつくる「雄勝いしのわプロジェクト」が作製。A5判、オールカラー60ページで(1)石産業のあゆみ (2)くらしのあゆみ (3)浜ごとの営みへ (4)災害・復興の再考− の4章と、まとめから成る。各ページにメモ欄を設け、気が付いたことを書き込められるようにしている。

 石産業のあゆみでは、雄勝玄昌石が生まれた歴史、中・近世の信仰との関わり、近代のスレート需要などを分かりやすい文章で解説している。まとめでは、雄勝地区を構成する十五浜で、コミュニティーを強めながら「開放型の新しい村」の形成を提言した。

 雄勝硯生産販売協同組合の沢村文雄理事長(68)は「地域のことを地域の人にこそ知ってほしい。(ノートには)硯のことだけではなく、雄勝のほとんどが詰まっている」「離れてしまった若い人が地域の可能性を見いだし、戻るきっかけの一つになってほしい」と期待を込める。

 編集担当の一人、東北工大ライフデザイン学部の大沼正寛教授(44)は「居住地も暮らしも分散されているのが現状。それぞれの生活再建を考える時、このノートでもう一度地域を見つめ直してほしい」と話す。

 プロジェクトは三井環境基金の助成も受けて2013年度から3カ年で取り組んだ。有形、無形の地域資源の調査、石産業の魅力、可能性を提案するワークショップなどを展開。ノートは活動の成果物の一つとして2000部を作製した。

 このうち1000部を盆期間中、雄勝町雄勝の天雄寺のほか、おがつ店こ屋街にある硯組合仮設店舗(16日は休み)などに置く。今回、帰省できなかった人に届ける方法も考えていく。

 連絡先は雄勝硯生産販売協同組合0225(57)2632。


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