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2015.11.11

大震災・伝承のかたち〜「阪神」被災地報告(上) 体験学習

避難所体験が行われる講堂で説明を受ける一行=10月22日、神戸市立地域人材支援センター

 東北大災害科学国際研究所(仙台市)と公益社団法人みらいサポート石巻(石巻市)は10月21、22の両日、阪神大震災(1995年)の被災地で、災害伝承の先進地でもある神戸市を視察した。

 東日本大震災を経験した石巻市での効果的な震災学習、災害伝承の実現に向けた協働ネットワークづくりや、それらを生かした交流人口の増加策などに役立てるのが狙い。視察に同行した。(山形泰史)

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 視察には災害科研の佐藤翔輔助教、「みらいサポート石巻」の中川政治専務理事、石巻市中央公民館の松川啓悦館長ら6人が参加した。

 まず、向かったのは阪神大震災の経験と教訓を伝える大型施設「人と防災未来センター」(神戸市中央区)。音と映像で震災を追体験できる「1.17シアター」、市民らから収集した写真や資料で地震の脅威を伝える「震災の記憶フロア」などで構成。自治体などの災害対策専門職員の育成や実践的な防災研究機関としての機能も備える。

 資料解説や語り部などは約150人が登録する市民ボランティアが担う。村田昌彦研究部長は「県立で、国の補助を受け運営している。市民のサポートは大きな力」と話す。市民協働による「安心安全な減災社会づくり」に取り組む。

 2日目に訪ねた神戸市立地域人材支援センター(長田区)は、震災体験のない子どもたちに「自分事」として震災を疑似体験させ、記憶と教訓を未来へとつなげるプログラムを提供している。震災当時、避難所として使われた旧二葉小を活用して2010年にオープンした。

 実際に避難所として使われた講堂で、段ボールでのスペース確保や紙食器づくりなどを行う「避難所体験」をメーンに、炊き出しや語り部体験談など、複数のメニューを組み合わせることができる。ここでも語り部などは地域住民がボランティアで協力している。

 指定管理者のNPO法人「ふたば」が神戸市から運営を受託し、市内の小中高校生は無料で講習が受けられる。市外からの校外学習や修学旅行、職員研修などは、ふたばの自主事業として有料で受け入れる。

 職員の山住勝利さん(48)は「低学年児童には歌や踊りも使うなど、年代ごとに対応を変えている。ただ伝えるだけではなく未来の防災につながるよう工夫している」と話した。

 視察は災害科研が採択を受け、みらいサポート石巻と実施する文部科学省の「学びによる地域活力活性化プログラム普及・啓発事業」の一環。公民館など地域の「学びの場」を活用して地域内の連携、交流を図り、震災学習の協働事業体制の構築を目指す。

 「地域人材センターは、既存施設を活用し、地域と連携して運営されている。今回の事業の参考になる」と災害科研の佐藤助教。人防の市民ボランティア運営も併せて「伝承の担い手の多くが『市民』であるということにあらためて気づかされた」と話した。


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