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2014.11.08

亀山市長の問責可決 がれき処理費詐欺、チェックの甘さ指摘 石巻市議会

賛成多数で亀山市長(中央)の問責決議案が可決された=石巻市役所

 石巻市議会は6日、臨時会を開き、東日本大震災のがれき処理業務の委託費をめぐる詐欺事件で、亀山紘市長に対する問責決議案を賛成多数で可決し閉会した。決議には法的拘束力はない。

 亀山市長は「決議は真摯(しんし)に受け止める。われわれにできることは限界があり、今後も警察と連携して取り組んでいきたい。大災害時もチェック機能を果たせるよう対策を取ることも必要だ」と述べた。

 決議案は、最大会派「ニュー石巻」の大森秀一議員が緊急動議として提出。採決の結果、賛成16、反対13で可決された。

 議会事務局によると、2002年9月に菅原康平市長、09年2月に土井喜美夫市長が問責決議案を可決されている。

市「告訴の裏付けに難航」

 臨時会では事件に関する緊急質疑もあり、ことし10月まで市が告訴に至らなかった経緯について説明を求めた。

 市側は、市の顧問弁護士らに計6回の相談を行ったと説明。「関係資料を示して見解を聞いたが、詐欺を裏付ける十分な証拠にならないと言われた。告訴しないことを前提としていたわけではなく、相談しながら検討してきた」と述べた。

 「告訴できる条件を確認するべきではなかったのか」との指摘に対し、「だます意思があったかどうかなど、詐欺罪の成立を証明できなければ告訴は難しかった」「新たな事実が見つかれば再度相談することになっていた。警察の捜査で水増し請求したことが分かり、今回告訴できると判断した」などと説明した。

 事件は、同市鹿又の建設会社「藤久建設」社長の伊藤秀樹容疑者(52)=同市あけぼの3丁目=が、ボランティアが行った作業分を水増しした委託業務費1218万円をだまし取ったとして10月30日に石巻署に逮捕された。市は10月23日、同署に告訴状を提出していた。

 市議会は地方自治法に基づき調査特別委員会(百条委員会)を設置。伊藤容疑者が関係資料の提出要請に応じなかったため、12年9月に同署に告発した。


◇解説(浜尾幸朗)

議会への丁寧な説明欠く

 石巻市議会は6日の臨時会で、東日本大震災のがれき処理業務委託費の詐欺事件をめぐり、市政の執行者である亀山紘市長に対する「問責決議案」を賛成多数で可決し、責任の所在を明確化した。

 問責決議に法的拘束力はないが、議会は「血税」をだまし取られた詐欺事件の不正を見抜けなかった市のチェック体制の甘さや責任問題を追及し、市長への問責決議で行政の監視機関としての役割を一応果たせた形だ。  議会はがれき処理をめぐり、調査特別委員会(百条委員会)を設置し、2012年9月に告発していた。決議案で「市は疑惑解明に消極的だった」と指摘。市長に対し、早急な真相解明と市民と議会への納得のいく説明を求めた。

 ただ、市は被害者で、緊急質疑で市長や市職員の事件への関与が取り上げられた際、亀山市長は「私を含め市職員が事件に関与した事実は一切ない」と明言している。

 議会が問題視している「告訴への消極的な姿勢」については、市は顧問弁護士に何度も告訴できないか相談し「詐欺罪として立証する新たな証拠がない中で告訴はしない方がいい」と助言されたことを緊急質疑の中で説明している。

 決議案は最大会派「ニュー石巻」の議員が緊急動議で提出。市の説明を聞いて「問責決議は時期尚早」と賛同しなかった会派もあった。消極的な姿勢という指摘は当たらないが、市は事前にもっと丁寧に議会に説明する必要があった。

 問責決議を受け、亀山市長は「真摯(しんし)に受け止め、大災害でもチェック機能を果たせる体制を取っていく。復興に遅れが出ないようしっかり頑張る」と述べた。

 市と議会は車の両輪。緊張関係を維持しながら、大局的な視点での議論は大いに結構なことで、最大被災地の復興加速へ手を携え取り組んでいくことが一層求められる。市民の代表で、良識のある市議の活躍に目が離せない。


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