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2014.02.01

元少年、二審も死刑 石巻3人殺傷控訴審仙台高裁判決 弁護側は即日上告

控訴棄却の判決を受け会見した被告代理人=仙台市青葉区

 2010年に起きた石巻市清水町の3人殺傷事件で殺人などの罪に問われ、一審仙台地裁の裁判員裁判で求刑通り死刑判決を受けた同市の元解体工の男の被告(22)=事件当時(18)=の控訴審判決で、仙台高裁は31日、一審判決を支持し弁護側の控訴を棄却した。弁護側は即日上告した。

 裁判員裁判で全国で初めて少年に極刑が選択され、高裁の判断が注目されていた。

 飯渕進裁判長は判決理由から述べ、争点となっていた殺意や計画性の有無、更生可能性などに関する弁護側の主張を退けた。

 弁護側は「通報されたことをきっかけに強い情動が起きたことによる衝動的犯行で、当時は記憶が欠ける意識障害があった。計画性は無く殺意も無かった」と主張し一審判決の破棄を求めていた。

 飯渕裁判長は「被告は殺意が無く脅し目的だったと供述したが、説得力のある説明が無く信用できない」と述べた。さらに「犯行後の発言からも、記憶の欠損や情動行為があったとは言えない。殺意は(次女を連れ出すのを)邪魔する人は排除するという条件付きのものだったとはいえ、犯行前夜から殺意が継続していたと考えられる」と話した。

 「更生可能性が無いとは言えないが、被害者や遺族に対する謝罪の意思を表していることや生育環境に不遇な側面があったことなどを考慮しても被告の刑事責任はあまりにも重い」と一審判決を支持した。

 情動行為や一審で死刑求刑の可否を慎重に審理されるべきだったとする点については「審理が尽くされていないとは言えない」と述べた。

 一審判決によると、被告は10年2月10日朝、共犯の男=殺人・殺人未遂ほう助の罪で不定期刑=と石巻市の民家に押し入り、長女の南部美沙さん=当時(20)と、交際していた次女(22)の友人の大森実可子さん=当時(18)=を刺殺。次女と知人男性(24)に切り付け、次女を連れ去った。

 仙台高検は「一審判決を是認した妥当な判決と考える」とのコメントを出した。

■被告代理人が会見「原審資料に偏った認定」

 控訴棄却の判決後、被告代理人が仙台市青葉区で記者会見し、判決を不服として閉廷後に上告申請書を提出したことを明かした。

 被告代理人は「事実認定の仕方において原審の資料に非常に偏った認定をしている。この3年間丁寧に立証してきたつもり。その部分への評価ができない理由がほぼ示されていない。一審の事実認定がなぜ信用できるのかという理由も示されていない。それが一番の不服」と述べた。

 計画的な犯行ではなかったという被告側の主張に対し一定の理解はあったとしながらも「(被告に)有利な状況は羅列したけれど、結論ありき。死刑は回避しないということ」と述べた。

■言い渡し5時間近く 被告じっと聞き入る

 元少年の被告は白地のストライプシャツに紺色のベストを来て入廷した。遺族、傍聴人らも飯渕進裁判長が主文を後回しにして述べた判決理由にじっと耳を傾け、判決の行方を見守った。

 言い渡しは休憩を挟んで5時間近くに及び、被告は時折天井を見上げるようなそぶりを見せた。判決が言い渡されると、取り乱す様子も無く立ち上がった。

 証人尋問で「死刑を望む」と話した大森実可子さんの父親は、終始険しい表情を崩さなかった。


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