FEATURE 特集

ロック & ロール の「NPOグルーブ」

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いしのまきNPOセンターがNPO活動の現状や課題、役割などを分かりやすく説明します。

 session3  ≫ なぜNPOの活動が求められるのか? Part1 (2017.06.29)

 これまで、NPOは「地域課題の解決や社会サービスの提供を目的とし」「利益の最大化・収益の分配を目的としない(非営利)団体」であると学びました。

 さて、今回は「なぜNPOが必要か?」という、本質的な問題について考えてみましょう。「地域課題」の当事者として、何らかの問題を抱えている人や社会サービスを欲している人たちがNPOを必要とすることは理解できますよね。では、自治体がNPOを必要とする理由って…?

難しい話なので、ゲストの方に聞きながら考えてみましょう。
今回は、石巻市役所から復興担当審議監の佐藤茂宗さん(※7月1日より4年間の任期で石巻市副市長に就任)にお越しいただきました。

こんにちは、佐藤審議監。市役所のどこの課にいらっしゃるんですか?

こんにちは、ロック&ロール。実は私は元々、市職員ではなく、総務省からの出向で、昨年の6月から市役所に机を置かせてもらっているんです。
仕事としては、震災前より良いまちをつくる「創造的復興」を成し遂げるため、市長のバックアップやマンパワー不足の解消などを担っています。

「創造的復興」って、よく聞く言葉ですよね。その達成のためにNPOが必要にされているということでしょうか?

NPOを含めた多くの市民の力が必要です。まず、石巻市役所の現状からお話ししましょう。
ロック&ロールもよく知っていると思うけど、東日本大震災以降の復旧・復興事業のため、平常時には考えられない規模で人やお金を投入しています。
今年度の一般会計予算1,891億円の70%近くが復旧・復興関連なのです。市役所職員の数は同規模の自治体と比較すると1.6倍にもなりますが、それでも職員の皆さんは業務で忙殺され、残業も非常に多く、疲弊しているのが現状です。

復興のため、予想以上に多くのお金や人が投入されているんだね。でも、2020年度にほとんどの復興事業が終了すると聞いたけど…

その通り。このままの状態で2021年度を迎えると、つまり「平常時」の状態に戻るとさまざまな障害が起こることは想像できるよね?

……何か大変なことになりそう…

そうならないために、いかにして2020年度末までに、お金と人を平常時の適正な規模に落ち着かせるか、ソフトランディングさせるかを今から考え、準備することが大切です。

でも、どうやって? 復興事業が終わるまでは、市役所も多くのマンパワーが必要だよね?

まずは市役所の業務、仕事のやり方を見直して効率化する必要があります。そのためには、改めて「民間でできることは民間で」を徹底し、指定管理者制度を導入していないところは確実に導入するなど、民間活用を徹底して進めていくことが求められます。

そこでNPOの出番なんだね。

そう。NPOの良いところは、活動分野についての専門性が高く、常に現場で住民と向き合っているところですね。
多様化した住民のニーズにきめ細かく対応するには、行政の支援だけでは限界があるので、NPOの力が必要になります。
また、行政は議会で承認を経るなど、意志決定に時間がかかりますが、NPOは自らの責任でスピード感を持って地域課題解決に取り組むことができます。

なるほど。でもNPOへの業務委託などが進むと、今度は市職員の方が急に暇になったりしない?

これまで復興事業に忙殺されていた市職員の皆さんを「地方創生」などの新たな課題にシフトさせていけば、市がもっと元気になります。もっと外に出てもらって、地域のコンサルティング機能を果たしてほしいと思っています。
当事者となる住民の相談役となり、バックアップをしてもらえれば、市民力が向上することにつながります。

「市民力」は、石巻市のこれからを考える重要なキーワードですよね。何でも市役所に頼る状況ではなくなったみたいだし…

そうですよね。NPOはボランディアの参加や寄付などを通じ、広く市民を巻き込んで活動しています。協力している市民にとっては、地域の課題がより身近なものとなり、当事者意識や共助の意識が高まります。それが真の住民自治へつながっていくのだと思います。

なるほど。「多くの市民の方の力が必要」とは、そういう意味なんだね。

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※原則、隔週木曜日に掲載します。

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