(163)おもてなし[16完] お元気で、さようなら

 出会いは別れの始まりとか。

 友となったスペインの学生ホセ(Jose)君ともいよいよお別れです。仙台に向かう彼に英語で「駅まで見送るよ」と言おうとしたのですが、「見送る」という表現が浮かんできません。辞書をめくりました。

 「~を見送る」は“ see ~ off ”と。off は「離れて」ですから、「離れてゆく~を見る」。なるほど、面白い表現です。

 これを用いて、ホセ君にこう言いました。“ I’ll see you off at the station, Jose. ”

 彼は微笑んで、“ Gracias. ”(グラシァス)と。これは「ありがとう」を意味するスペイン語です。

 もう一つ、「会えてよかった」という気持ちを伝えたいと思いました。“ Thank you. ”ではどうも…。授業で覚えた表現がよみがえってきました。“ Nice seeing you. ”です。これは日本語の「さようなら、お元気で」に当たる言葉でしょう。

 「さようなら」の英語についてひと言。

 おなじみの“ Good-bye! ”(グッバイ)は、“ God be with you. ”(神があなたとともにありますように)の短縮された形。

 また、古めかしいですが、farewell(フェアウェル)という言葉もあります。ヘミングウェイの代表作「武器よさらば」の原題は“ Farewell to Arms ”です。

 最後に極めつけの別れの言葉を。“ Romeo and Juliet”(ロミオとジュリエット)の第2幕で、ジュリエットがささやく“ Parting is such sweet sorrow. ”「別れはこんなにも甘く切ない」。

【2018年11月15日(木)石巻かほく掲載】