2018/10/06~28 第3回 いしのまき演劇祭

◆盛り上げた!いしのまき演劇祭(中)

劇団「スイミーは まだ 旅の途中」

劇団「スイミーは まだ 旅の途中」の作品で男の子を熱演した阿部さん(中)=10月14日、旧県東部土木事務所

 石巻西高3年阿部春花さん(18)は、地元の劇団「スイミーは まだ 旅の途中」による作品「もみじのスイミー」(10月13、14日)に出演、元気な男の子を演じた。

 「姉役だった斎藤小枝さんは中学3年。立場が逆転していたけど楽しかった」

 石巻西高3年。演劇部に所属していた。「西高を選んだのも、石巻地方の高校の中で演劇部が活発の方だったから」

 小さいころから人前で歌ったり踊ったりして、喜ぶ顔を見るのが好きだったという。「いしのまき演劇祭」には、2年前に始まった時から興味を抱いてきた。昨年はワークショップに参加。3回目の今年、念願の出演がかなった。「体幹だったり、発声だったり、稽古の時から勉強になった」

阿部春花さん

卒業後は舞台照明を学びたいと演劇に情熱を注ぐ阿部さん

 卒業後の進路も既に決まっている。「東京に出て2年間、舞台照明を学ぶ。その後は舞台の仕事に就いて経験を積み、いつか石巻に戻って演劇祭の役に立ちたい」

 進路を演劇関係に決めたことに、演劇祭の影響が少なからずあったという。「何に進むべきか迷っていた。でも演劇祭にかける実行委の人たちの心意気に触れて自分の道が見えた」

 東日本大震災で被災した街という石巻のイメージを、芝居の面白い街に変えようと始まった演劇祭。その熱い思いを、10代なりに受け止めた。「演劇で古里に尽くしたい」と決めた。「今でも時々、悩む。夢と現実は違うと。でも、行動しなければ、いつまでも夢のまま」

 自分が出た芝居以外、ほかの参加6団体の芝居を全部見て回ったという。その“演劇祭愛”が夢をつかむ原動力になるに違いない。

【2018年11月18日(日)石巻かほく掲載】


◆盛り上げた!いしのまき演劇祭(上)

 10月の石巻の街中に活気をもたらした「第3回いしのまき演劇祭」(10月6~28日)。多くの新しい仲間が参加した。地元の高校生が出演したり、東京から女優が駆け付けたりした。運営スタッフにも頼もしい助っ人が加わった。

舞台 拝み屋怪談

コマイぬの「舞台 拝み屋怪談」は石巻市立町2丁目の秋田屋庭園の蔵で上演。階段を利用するなど工夫し挑む(左から)芝原弘さん、吉水さん、大崎さん=10月26日

 演劇祭をより魅力的にし、芝居の面白い街づくりに一役買った演劇仲間たちを紹介する。

   ◇

 コマイぬの「舞台 拝み屋怪談」(10月26、27日)に出演した大崎優花さん(33)と吉水雪乃さん(17)。活動拠点は東京で、ともに演劇祭は初参加だった。

 二人とも「石巻の観客はとても温かかった。受け入れてくれた」と感激。

 大崎さんは、演劇祭を動かしているのが自分と同世代の人たちであることに共感。「(東日本大震災で)被災した街を演劇で盛り上げる。東京とはまた違った空気を感じた」

 実は大崎さんが石巻で演じるのは2度目。コマイぬが旧観慶丸商店で始めた「よみ芝居」に今年6月、出演した。その時から石巻との縁があり、演劇祭への参加が実現した。「今回、使用した秋田屋庭園はすごく趣がある。既存の劇場ではなく、街中の施設や店を利用して芝居をするところが面白い。いしのまき演劇祭っていいな」

舞台 拝み屋怪談

大崎優花さん(左)と吉水雪乃さん

 石巻の観客を“霊”の役で恐怖に陥れた吉水さんの素顔は高校3年生。千葉県に住み、東京の劇団に所属している。「1回、舞台に立つと止められない」と笑う。卒業後も演劇の世界で活動するのが夢だという。吉水さんにとっては貴重な体験になったようで、演劇祭には「これからも関わりたい」という。

 2日間の公演後、吉水さんが楽しみにしていたのが観光。コマイぬ代表の芝原弘さん(36)=石巻市出身=が名所を案内した。大崎さんは所用で東京に戻ったが「いつかオフを利用して石巻の街中をゆっくり散策したい」と話す。

 芝居だけでなく復興に向かう石巻地方を肌で感じ取ってもらう。演劇祭のもう一つの役割かもしれない。

【2018年11月11日(日)石巻かほく掲載】


芝居の面白い街へ
第3回いしのまき演劇祭を振り返って

 10月6日から28日まで土・日曜をメインに、7団体によって石巻市内で繰り広げられた「第3回いしのまき演劇祭」は、芝居の面白い街への手応えを感じさせて終幕した。

 第1、2回との違いは地元の女子高生2人が初めて出演したことだ。一人は、いしのまき市民劇団「夢まき座」に、もう一人は劇団「スイミーは まだ 旅の途中」にそれぞれ出演、新風を吹き込んだ。一般の市民を巻き込んだ演劇祭に育て上げたい-という願いが一歩、前進した。

 新しい劇団も誕生した。「水曜日のfika」で、演劇祭参加を目標に石巻と登米の有志で結成された。

 運営スタッフの中にも仲間が加わった。東京の「feblabo」の作品を演出した池田智哉さんは会期中、実行委員としても動き回った。山形の大学生や東京の高校生も“裏方”として活躍。演劇祭に関わり合いたいという輪は県外に広がった。東日本大震災の被災地・石巻を演劇の街に変えたいという思いが共感を呼んだに違いない。

 芝居をはしごする人たちの姿が街中に目立った。旧観慶丸商店(中央3丁目)をメイン会場にしたことで生まれた光景だった。実行委員会代表の矢口龍太さんは「活気が生まれ、街中でやることに改めて意義を見いだした」と語る。

 3回という節目は、手づくりの演劇祭の方向性、可能性を示した。(文)

■高校生も
 いしのまき市民劇団「夢まき座」の舞台で、石巻市在住の高校3年、武田真由子さんが猫のキャラクターを熱演。初めて高校生が舞台に立った。新たな歴史を刻んだ=6日、宮城クリニック
いしのまき市民劇団「夢まき座」
■だいご味
 間近で見られるだいご味。SENDAI座☆プロジェクトの渡部ギュウさんによる一人13役に引き込まれる。建物がガラス張りのため街の光景、時間の流れが不思議な効果をもたらした=7日、旧観慶丸商店
SENDAI座☆プロジェクト
■ざわめく
 開演を待つファンでざわめく。上演会場をはしごするファンもいた。今年の演劇祭の拠点である旧観慶丸商店を中心に街中がにぎわった=8日
今年の演劇祭の拠点である旧観慶丸商店
■親子共演
 劇団「スイミーは まだ 旅の途中」には石巻西高3年の阿部春花さん(右)のほか、斎藤由佳里さん(中央)、小枝さん(中学3年)親子も出演。演劇祭に参加する仲間の輪が広がっている=14日、旧県東部土木事務所
劇団「スイミーは まだ 旅の途中」
■つながる
 被災地支援で昼間、石ノ森萬画館に来た東京の劇団 球の若手メンバーらが、演劇祭に感心。同じ日の夜にあった、ろくがつ企画の舞台を観賞。新たなつながりが生まれていた=20日、IRORI石巻
劇団 球、ろくがつ企画の舞台を観賞

【2018年11月4日(日)石巻かほく掲載】


水族館劇場、野外劇

空き地で繰り広げられた水族館劇場の野外劇。見る側も地べたに座って楽しむ=21日、カンケイマルラボ隣

芝居の街に
いしのまき演劇祭
東京から野外劇も

 石巻市の街中が20、21の両日、3本の芝居で活気づいた。

 真っただ中の「第3回いしのまき演劇祭」に加え、東京から二つの劇団がやって来て、それぞれ上演。近場で3本見られる機会はめったになく、演劇ファンが県内外から詰め掛けた。石巻の街中が、東京の劇場の街・下北沢になったような熱気にあふれた。

ろくがつ企画

いしのまき演劇祭に初登場のろくがつ企画。女性の視点による女性だけの劇団ならではの芝居が展開=20日、IRORI石巻

 2日間にわたって上演したのは演劇祭参加の「ろくがつ企画」(仙台)、東京を拠点にする「劇団 球」と「水族館劇場」。

 21日は好天に恵まれ、IRORI石巻(ろくがつ企画)、石ノ森萬画館(劇団 球)、カンケイマルラボ隣の空き地(水族館劇場)を、はしごするファンもいた。

 宮城学院女子大の演劇部OGでつくる、ろくがつ企画は「演劇祭に参加したのは初めて。芝居の面白い街を肌で感じた。これからも石巻を盛り上げられたら」と話した。

劇団 球

終演後、観客を見送る劇団 球のメンバー。ファンと交流を深める=20日、石ノ森萬画館

 劇団 球は、東日本大震災後の2014年から萬画館で公演、「生きる」というメッセージを込めた芝居で市民を励ましてきた。10代、20代の若いメンバーを連れてきた主宰の田口萌さんは「仮面ライダーBLACKで女優デビューした。石ノ森先生への恩返しも込めて続けてきて5年目。球としての思いを新たに、石巻が元気になれるように関わっていきたい」と語った。

 東京から訪れて2日間、劇団 球に声援を送った男性ファンは、演劇にあふれる石巻に驚いていた。水族館劇場を見た市内の60代の男性は「あちこちで芝居をしている感じで街中が面白くなってきた」と喜んだ。

 通りを花道に変えて、野外劇で市民を圧倒したのが水族館劇場。招いたのが石巻市出身で石巻若宮丸漂流民の会事務局長の大島幹雄さん。「パワーとエネルギーに満ちた劇団の魅力を市民に知ってほしかった。将来、中瀬に芝居小屋を建てて本格的な公演をやりたい。芝居が古里の新たな活力になれば」と強調した。

 第3回いしのまき演劇祭は大詰め。

 コマイぬ(石巻/仙台)が26、27日(秋田屋庭園)に登場する。トリは「水曜日のfika」(石巻/登米)で27、28日(旧観慶丸商店)に上演する。

 連絡先は池田さん090(8560)3381。

【2018年10月24日(水)石巻かほく掲載】


街中で競演
いしのまき演劇祭
きょう、あす3芝居

 第3回いしのまき演劇祭が真っただ中。20、21の両日は演劇祭参加の劇団のほかに、東京から二つの劇団が石巻市内でそれぞれ公演する。2日間、街中は芝居の熱気にあふれる。

 演劇祭に登場するのは仙台の「ろくがつ企画」。宮城学院女子大の演劇部OGからなる劇団で、20日は午後7時、21日は午前11時半と午後3時の計3回、IRORI石巻(中央2丁目)で上演する。作品は「トルソー達は澄まさない」。

 東京から来るのは「劇団 球」と「水族館劇場」。

 田口萌さん主宰の劇団 球は2014年から被災地支援として毎年、石ノ森萬画館(中瀬)で公演している。今回もその一環。上演作品は「INTERGRATION(インテグレーション)」。ミュージカルスターを夢見る18歳のヒロインを主人公にした物語。20日は午後2時10分、21日は午前11時10分、午後1時10分、3時10分の3回。

 水族館劇場は石巻地方初お目見え。野外劇を行う。20日はまねきショップ駐車場(石巻市門脇2丁目)、21日はカンケイマルラボ(同市中央2丁目)隣の空き地。両日とも午後1時半開演。さすらい姉妹という路上芝居ユニットによる公演。作品は「冒険ぴいたん波まくら漂流記」。船がまだ大海原を航海する時、星と風に頼っていたころの一夜の夢物語として舞台に乗せる。

 劇団 球と水族館劇場は入場無料。ただし劇団 球公演では萬画館当日観覧券か年間パスポートが必要。水族館劇場は投げ銭歓迎。

 演劇祭は当日の入場料が2000円。

【2018年10月20日(土)石巻かほく掲載】


いしのまき演劇祭
20、21日は「ろくがつ企画」
“女”題材に上演

 第3回いしのまき演劇祭第5弾は20、21の2日間、IRORI石巻(石巻市中央2丁目)で行われる。

 出演は「ろくがつ企画」(仙台)で、上演作品は「トルソー達は澄まさない」。「女」をテーマに六つの物語が紡がれるオリジナルオムニバス公演。20日は午後7時、21日は午前11時半と午後3時からの2回。

 ろくがつ企画は、宮城学院女子大の演劇部OGで結成。2014年から活動している。演劇祭は初参加になる。

 入場料は前売り(予約の場合)1700円、当日(会場で直接購入)2000円。

 予約方法は次のいずれか。
(1)公式サイト https://i-engekisai.jimdo.com
(2)090(8560)3381(池田)
(3)メール ishinomaki.engekisai@gmail.com

【2018年10月14日(日)石巻かほく掲載】


いしのまき演劇祭
東京の劇団登場
feblabo、観慶丸を舞台空間に

「いまこそわかれめ」

「いまこそわかれめ」

 第3回いしのまき演劇祭が街中に活気をもたらしている。

 先日は、昨年に続いて東京の劇団「feblabo」(フェブラボ)が登場した。東京の小劇場で活動する池田智哉さん(36)演出による「いまこそわかれめ」(脚本・目崎剛)と「日曜日よりの使者」(脚本・竜崎だいち)の2本が上演された。

 「いまこそわかれめ」は、男女の高校生によるテンポの良い会話で成り立った作品で、演劇祭初お目見え。

「日曜日よりの使者」

「日曜日よりの使者」

 「日曜日よりの使者」は、昨年好評だったことから再演となった。2人のお年寄りのおかしなやり取りが繰り広げられる。

 偶然か、2本とも登場するのは「死者」。観客の目の前で話している人は…。が、怖くはない。怪談ではない。逆にコミカルでさえあり、客席からは笑いが随所に起きた。

 「生と死」「別れと再会」を描くうちに、両作品から伝わってきたのは相手を思う優しさ、思いやりだ。客席を包み込んだのは温かさだった。思い出を大事にすることで、記憶をよみがえさせることで、それが輝きになり、生きる力になる。観客が受け取るのは、そんなメッセージだ。

 会場は旧観慶丸商店(中央3丁目)。階段などを有効に使って舞台空間に変えた。客席には石巻西高生たちの姿もあった。演劇祭を楽しむ輪が広がっている。(久)

【2018年10月21日(日)石巻かほく掲載】


feblabo

店をステージに変えて行われたfeblaboの芝居=2017年11月5日

石巻の秋、演劇祭で染めるぞ
7団体参加
来月6~28日

 第3回いしのまき演劇祭(実行委員会主催)が10月6日から28日までの毎週土・日曜、祝日をメインに、石巻市内で行われる。今年は、地元をはじめ県内外から7団体が参加、街中を芝居の熱気で包み込む。

 演劇祭は、東日本大震災で被災した街を芝居の面白い街に変えようと、震災後に生まれた劇団などを中心に2年前から始まった。店舗や空き家など、今ある建物を舞台空間に変えて上演し、街中での演劇祭が話題を呼んできた。

 7団体のうち、いしのまき市民劇団「夢まき座」(石巻)、劇団「スイミーは まだ 旅の途中」(石巻)、コマイぬ(石巻/東京)は3年連続の参加。初お目見えは、SENDAI座☆プロジェクト(仙台)、ろくがつ企画(仙台)、「水曜日のfika」(石巻/登米)の3団体。水曜日のfikaは、演劇祭に参加するために今年発足した劇団だ。もう1団体のfeblabo(東京)は昨年に続いての登場。今年も東京で活躍する劇団の芝居を間近で見られる。

 チケットは今年から全公演共通になった。前売りは1700円(事前に予約必要)。当日2000円。新たに共通回数券もでき、3枚つづり5100円、6枚つづり9000円。

 連絡先は090(8560)3381(池田)か、メールishinomaki.engekisai@gmail.com

■いしのまき市民劇団「夢まき座」
演目「ねこはしる」【作・工藤直子、演出・夢乃うたたね】
▽6日(1)午後6時 
▽7日(1)午後1時、(2)5時
(宮城クリニック2F、石巻市中里7丁目)

■SENDAI座☆プロジェクト
演目(1)渡部ギュウの東北物語Vol.10~酒蔵のある街、旅公演~
  (2)独り十三役芝居「税務署長の冒険」
【作・宮沢賢治、構成/演出・高橋菜穂子】
▽7日(1)午後5時
▽8日(1)午前11時、(2)午後2時
(旧観慶丸商店、石巻市中央3丁目)

■feblabo
演目(1)「日曜日よりの使者」【脚本・竜崎だいち、演出・池田智哉】
  (2)「いまこそわかれめ」【脚本・目崎剛、演出・池田智哉】
▽7日(1)午後7時 
▽8日(1)午後5時
(旧観慶丸商店、石巻市中央3丁目)

■劇団「スイミーは まだ 旅の途中」
演目「もみじのスイミー」
▽13日(1)午後3時半、(2)7時半 
▽14日(1)午後1時半、(2)5時半
(旧県東部土木事務所、石巻市東中里2丁目)

■ろくがつ企画
演目「トルソー達は澄まさない」
▽20日(1)午後7時
▽21日(1)午前11時半、(2)3時
(IRORI石巻、石巻市中央2丁目)

■コマイぬ
演目・舞台「拝み屋怪談」【原作・郷内心瞳、脚本/演出・内堀優一】
▽26日(1)午後6時半
▽27日(1)午前11時、(2)午後2時、(3)6時半
(秋田屋庭園「蔵」、石巻市立町2丁目)

■水曜日のfika
演目・朗読劇「空の村号」【作・篠原久美子、演出・ヒビカミコ】
▽27日(1)午後4時
▽28日(1)午後1時、(2)4時
(旧観慶丸商店、石巻市中央3丁目)

【2018年9月15日(土)石巻かほく掲載】


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