震災からの教訓(桜井泉)

水紋

 「最近は全国各地での大地震や災害が相次いでいる。地区内は高齢化が進み、災害時の高齢者の介助が悩みの種になっている。いざという時に避難先があれば安心する。大変ありがたい」

 東松島市川下地区自治会と、介護施設「百合の里」を運営する東松島ケアサポート(同市根古)が9月24日、災害時に要援護者らが避難施設として一時使用できる協定を結んだ。今野勝彦自治会長は協力を快諾した東松島ケアサポートの佐々木忠男社長に対し、こう感謝の言葉を述べた。

 協定は体の不自由な高齢者らをさまざまなノウハウを持つ介護施設に避難させることで、身の安全の確保ばかりでなく、万全の体制で支えるのが狙い。民間の社会福祉施設と、こうした協定を結ぶのは旧鳴瀬地区では初めての試みだ。

 東日本大震災では、子どもから大人までの健常者ばかりでなく、高齢者、障害者が一斉に避難所に駆け付けたことでトラブルが発生。パニック状態も重なり、障害者、高齢者本人や家族は“肩身の狭い思い”をしたケースも少なくない。

 そう言えば、石巻市須江に社会福祉法人石巻祥心会が日本財団などの支援の下、障害者のためのケア付き仮設住宅をいち早く建設し、感謝されたことを思い出す。

 震災を教訓に真っ先に体の不自由な高齢者が介護施設への避難となれば、問題も解消されるはずだ。こうした動きが今後も増えることを期待せずにはいられない。

(桜井泉)

【2018年10月19日(金)石巻かほく掲載】