夏休み(河北新報社石巻総局・関根梢)

水紋

 8月下旬に夏休みを取ったが、寝たり起きたりしているうちに終わっていた。終始ぼんやりしていたためか、夏休み気分が抜けるのに時間がかかった。

 自堕落な休暇を過ごした私とは対照的に、短い夏を有意義に過ごした女川町出身の高校生たちがいる。5日夜、彼らの「発表会」に足を運んだ。

 短期留学や、町外出身の同世代との交流、趣味のゲームを生かした動画制作など内容は多岐にわたる。熱のこもった発表に、町の大人たちは身を乗り出して聞き入った。

 印象的なのは、生徒らが世界に目を向けながらしっかりと古里に根を張っている姿だ。

 ある女子生徒は米国への短期留学を経験し「女川の小中高生が異文化に触れる機会をつくりたい」と決意を表明。国内外の大学生、高校生が町内で実施したサマースクールに参加した女子生徒は「町外の人に女川のことを語れる知識がなかった」と気付き、「まちづくりの中核にいる人と一般住民にギャップがあるのではないか」と指摘した。

 町内には高校がなく、中学卒業後は町で過ごす時間がぐっと減る。それでも彼らの成長を見守る地元の大人たちのまなざしは変わらず温かい。

 世界に羽ばたく高校生の力強さと、若者の可能性の芽を伸ばそうと応援する大人たちの心意気。会場に充満する熱気にあてられ、夏休み気分はすっかり抜け切った。負けずに気を引き締めて、下半期を駆け抜けたい。

(河北新報社石巻総局・関根梢)

【2018年9月14日(金)石巻かほく掲載】


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