俳句(6/23掲載)

俳句

【石母田星人 選】

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メロンハウスユーミンの曲続けざま  (石巻市相野谷・山崎 正子)

【評】酒やワインにモーツァルトを聴かせて造ると上質の味になるという。このハウスでも育成に音楽の効果を利用しているのだろうか。作業中のBGMなのかもしれないが、メロンたちも絶えず聴かされていることに変わりはない。クラシックではなくユーミンの曲というところが面白い。果たしてどんな味に育つのだろう、興味津々だ。農家で得た珍しい句材が光っている。足を運んで感得した句には力がある。

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葉桜や我に戻れた頃思う  (多賀城市八幡・佐藤 久嘉)

【評】葉桜を見て、あの日から2カ月過ぎた時点の自分を思い出した。あの年は桜の存在さえ忘れていたのだ。「戻れた」の口語表現が気になったが、これが意外に効果的。感情がストレートに伝わってきた。

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筍や朝の空気を吸うて伸ぶ  (石巻市駅前北通り・小野 正雄)

【評】早朝の竹林は神秘的な空間だ。生まれたての光が差し込む瞬間、青く澄んだ清らかな空気が霧のように流れ込んでゆく。皮膚感覚で捉えた一句。

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川柳に溜飲下がる初夏の風  (石巻市南中里・中山  文)

【評】世の中、腹の立つことばかり。本紙で痛快な川柳に出合ったのだろう。そんな句は元気をくれる。すがすがしい風の中に飛び出してみたくもなる。

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山も田も緑浄土となりにけり  (石巻市広渕・鹿野勝幸)

裁縫室の足踏みミシン藤の花  (石巻市中里・鈴木登喜子)

廃線の駅舎育ちの燕の子  (東松島市矢本・紺野透光)

新緑の膨らみ続く野蒜駅  (東松島市矢本・雫石昭一)

緑増す山のふところ晶子の碑  (仙台市青葉区・狩野好子)

決勝戦九回裏の夏野かな  (石巻市中里・上野空)

雨に濡れ三日咲きたる牡丹かな  (石巻市門脇・佐々木一夫)

風薫る若医者にある国訛  (石巻市開北・星雪)

大人用塗り絵鉛筆夏の雨(石巻市中里・川下光子)

紫陽花や色鉛筆を削りおり  (東松島市新東名・板垣美樹)

空缶の祖母の蒸し菓子青田風  (東松島市野蒜ケ丘・山崎清美)

数珠つなぎ海鞘水吹いて船の上  (東松島市あおい・大江和子)

災害の神割崎や黄菅咲く  (石巻市相野谷・戸村昭子)

囀りや集まりやすき女学生  (石巻市向陽町・佐藤真理子)

窓開けて薔薇の匂と娘の笑顔  (仙台市泉区・米倉さくよ)

梅雨入や庭の草木の緑映ゆ  (石巻市南中里・大山育子)

【2018年6月23日(土)石巻かほく掲載】

■作品を募集中

 短歌、俳句、川柳を募っております。皆さんの力作をお寄せください。

 募集要項は次の通りです。

 短歌、俳句、川柳とも必ずはがきを使い、1枚に3首・句まで。いずれも自作の未発表作品に限ります。作品は返却しません。

 作品と同じ面(裏面)に氏名(筆名の場合は本名も)・住所・年齢(学年)・電話番号を記し、〒986-0827石巻市千石町4の42、三陸河北新報社編集部・文芸係(短歌、俳句、川柳を明記)まで。連絡先は0225(96)0321。


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