一歩一歩(河北新報社石巻総局・鈴木拓也)

水紋

 今月上旬、家族で東松島市の大高森(標高105.8メートル)を登った。緑の木々に囲まれた道が心地よく、すがすがしい気持ちになった。

 山頂が近づくと、長い階段が待ち受けていた。2歳の末娘が一緒だったが、抱っこもせがまずにのんびりゆったり。「いっち、にー。いっち、にー」と声を掛け合い、山頂まで歩いてくれた。

 コース途中には腰掛けベンチがあり、30分もあれば余裕で登頂できる登りやすさもいい。すれ違う登山客は若者からお年寄りまでさまざまで、誰にでも優しい山という印象を受けた。

 4月から東松島エリアの担当になり、取材でも観光資源の魅力を再発見する機会は多い。10月開設の韓国版トレッキングコース「オルレ」の視察や、宮戸島の奥まった漁港にある鮫ケ浦水曜日郵便局まで歩くワークショップ、体験型の誘客戦略に同行し、自然に親しみながら景観を楽しんでいる。

 市内の観光客は東日本大震災で急激に落ち込み、回復途上だ。2017年の観光客入り込み数は前年比30.1%増の68万7147人だったが、震災前の10年比では43万6086人も少ない。

 市は24年に110万人まで戻す目標を掲げる。達成するには山歩きのように一歩一歩の地道な取り組みが欠かせない。今年はオルレの開設があり、来春は矢本海浜緑地のオープンが控える。一緒に歩きながら地域の魅力を伝えたい。

(河北新報社石巻総局・鈴木拓也)

【2018年6月19日(火)石巻かほく掲載】


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