黒沢楽兵隊(木村広志)

水紋

 4、5年前、インターネットで調べ物をしていた時に、幕末の仙台藩家臣で桃生地区中津山地区に所領を持つ黒沢家に、楽兵隊が組織されていたという記事に出合った。楽兵隊は、ラッパや太鼓などで部隊を鼓舞する洋式の軍楽隊。当時の東北各藩は、飢饉(ききん)などによる財政難もあって戦国時代とほぼ変わらない旧態依然の兵装備が主流といわれていたので、石巻地区に洋式部隊があったことに驚いた。

 もう少し、詳しく知りたいと思ったが、資料を探し歩くまでは至らず、忘れかけていた。そんな頃の昨年9月、石巻かほくに、石巻市芸術文化振興財団理事長で元石巻市教育長の阿部和夫さんが執筆した「北越戦争で戦った中津山の侍たち」の連載が始まった。その中に、洋式調練された黒沢隊の様子や黒沢楽兵隊が詳しく紹介されており、原稿を手にした時は感激した。

 20回続いたこの連載に、2018年1月1日の石巻かほく「戊辰戦争150年」特集に阿部さんが寄稿した「あわや戦場に…石巻緊迫の46日 戊辰戦争と仙台藩」を加えた小冊子「北越戦争-戊辰戦争150年 宮城・中津山の侍たち」が三陸河北新報社から出版された。

 石巻と戊辰戦争。直接は関係ないと思われがちだが、多くの人たちが戦い、混乱の中に巻き込まれていた事実が分かる。戊辰戦争からちょうど150年の今年、この小冊子をぜひ手にとって読んでもらいたい。

(木村広志)

【2018年5月22日(火)石巻かほく掲載】


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