邂逅(庄司尚広)

水紋

 4月から新米記者として働き始めて1カ月半。紙面に関わる疑問は、取材先に何度も電話をかけて解決するよう心掛けている。他方、日常生活でのふとした疑問は増えるばかりでなかなか答えに巡り合えない。

 ずっと探していた物が意外なところで見つかることがある。探し物だけに限らず、長い間疑問に思っていたことの答えにも同じことが言える。

 名古屋市市政資料館は、旧名古屋控訴院の建物を当時のまま使っている。入り口正面のステンドグラスや会議室、そして陪審法廷など、大正時代の内装が残されているため、テレビドラマや映画の撮影でもしばしば使われている。さらに館内には喫茶室もあり、食事が目的で訪れる人も少なくない。

 残念ながら仙台にこのような、市民も観光客も足を運ぶ文化施設は少ない。旧宮城控訴院の建物も空襲を免れ、1977年まで高等裁判所として使われていた。趣ある赤れんがの庁舎を残さなかったのはなぜだろうか。

 この答えも意外なところから出てきた。2014年7月11日付河北新報のコラムに記されていた。「東京に追い付けとばかり、近代化を急いだでしょう。開発の波は文化遺産を飲み込むほどに早かった」

 思いがけないところで答えが見つかると、すごく得をした気分になる。本や新聞は情報収集には最適の手段だと思っている。時間を見つけて、もう少し読む量を増やしていきたい。

(庄司尚広)

【2018年5月15日(火)石巻かほく掲載】


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