河北美術展(久野義文)

水紋

 河北美術展が仙台の藤崎で開かれている。

 先日、420点余の中から石巻地方の入選者の作品を探し歩いた。日本画、洋画、彫刻合わせて22点。見つけるとカメラで撮った。石巻かほくで紹介するためだ。

 作品のそばに張られたカードが頼り。タイトルと作者名、所在地が記されている。目は作品そのものではなく、作者名や石巻、東松島、女川…と追った。それらを見つける前に誰の作品であるかに気づく場合もあった。絵の方が先に目に飛び込んできた。作風から、これは○○さんの作品だと分かった。直感のようなものが働いた。

 その人にしばらくお会いしていないが「元気に活躍しているんだな」とうれしくなった。絵が便りの代わりになった。

 たぶん、こんな気持ちになるのは東日本大震災があったからだと思う。それぞれの体験を乗り越えて、絵と向き合ってきた彼ら一人一人の顔が浮かんできた。

 これは、地方の公募展ならではかもしれない。ルノワールやゴッホの美術展を見に行っても、感激はするけれど、親しみまでは湧かないはず。同じ時代に、同じ地方に住み、同じ空気を吸っている人たちにだからこそ思う感情に違いない。

 紙面では既に日本画7点を掲載した。洋画13点と彫刻2点は、明日の紙面で紹介するつもりだ。

 会場での撮影はある意味、大変だった。絵の森に迷い込んだ感覚に襲われた。出合った時の感動が写した作品から伝わればいいが。

(久野義文)

【2018年5月3日(木)石巻かほく掲載】


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