食いしん坊の休日(奥山優紀)

水紋

 自宅近くの商店街で買った「いしのまきホルモン」、平日限定で要予約の「船定食」、老舗食堂の「サバだしラーメン」、牡鹿半島にある古民家食堂の「カキフライ定食」。

 仙台から石巻勤務に戻って1カ月弱。必ず食べようと心に決めていた未食のグルメを休日に食べ歩いている。偶然いただいた「おでんバーガー」や、石巻市北上地区でごちそうになったホタテのみそ汁もおいしかった。

 くたくたでも、心がかさかさでも、手作りの食べ物をほおばると元気になる。

 うれしい出会いも運んでくれた。サバだしラーメンを食べに行った時のこと。午後2時すぎだったので、ご主人にまだ営業しているか尋ねた。「せっかく来てくれたんだからどうぞ」と笑顔で招き入れてくれた。

 とても気さくで、ラーメンのお薦めの食べ方も教えてくれた。胃だけでなく心もぽかぽかになった。次は、ソースカツ丼とラーメンのセットを頼むと心に決めている。

 食べ歩きは、被災地の今を感じるきっかけになっている。カキフライ定食を食べた店は、海のすぐそばにあるのに席から海が見えなかった。天気も良かったし、大きな窓もあった。窓からは空と、高い高い防潮堤と、行き交うトラックしか見えなかった。胸が痛んだ。

 普段取材で出掛けるのは、どうしても自分の担当地区に偏ってしまう。おいしい物を探してあちこち足を延ばし、石巻地方を知っていきたい。
 

(奥山優紀)

【2018年4月26日(木)石巻かほく掲載】


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