被災地を巡る(河北新報社石巻総局・鈴木拓也)

水紋

 小中学校時代の同級生と後輩の5人が今週末、神奈川県から東日本大震災の被災地を訪れる。

 1泊2日の日程で、現地の案内役を任された。福島県と宮城県を車で巡り、震災と東京電力福島第1原発事故で日常を奪われた地域の「今」を見てもらう機会にしたい。

 待ち合わせは福島県富岡町、帰還困難区域の柵がある場所にした。いまだに自宅に帰れない人がいることを肌で感じてほしいと思ったからだ。現地では富岡町出身者による語り部もお願いし、震災前の街の様子を語ってもらう。

 2日目は仙台市の震災遺構「旧荒浜小」を見学し、名取市の津波復興祈念資料館「閖上の記憶」に足を運ぶ。石巻エリアにも来てもらいたかったが、帰路を考えて余裕を持ったコースにした。

 きっかけは昨年12月に帰省した際の忘年会だった。3次会でふと震災が話題に上った。「もうこっちで震災は忘れられてきてるでしょ」と私が尋ねると、意外にも「そうではない」という声があった。

 3月11日午後2時46分には職場で黙とうするし、できれば被災地を見に行きたいと思っている、と。「それなら実際に行こう」という話になり、その場で日にちを決めて準備を進めてきた。

 今回来る仲間の中には初めて被災地を訪れる人もいる。古里を失った悲しみや津波の恐ろしさに触れ、何かしら心に残る旅になったらいいと楽しみにしている。

(河北新報社石巻総局・鈴木拓也)

【2018年4月24日(火)石巻かほく掲載】


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