2017年度 最優秀賞決まる 短歌は阿部さん(東松島)、俳句は紺野さん(東松島)

 2017年度の「石巻かほく」短歌・俳句欄の投稿者から、最優秀賞に短歌は阿部一直さん(85)=東松島市大曲=、俳句は紺野透光さん(80)=東松島市矢本=が選ばれた。

 優秀賞は、短歌が中山くに子さん(石巻市南中里)と木村譲さん(石巻市恵み野)、俳句は三浦ときわさん(石巻市小船越)と伊藤春夫さん(石巻市吉野町)。

 選者の佐藤成晃氏(短歌)、石母田星人氏(俳句)がそれぞれ選出した。受賞者には22、23日にあった表彰式で賞状が手渡された。

【短歌】

◆最優秀賞・阿部さん、喜びの声

最優秀賞・阿部一直さん

 このような賞を頂き、びっくりしました。大変光栄に思うと同時に、選者の佐藤成晃先生には感謝の気持ちでいっぱいです。

 20歳の頃から歌を詠んでいますので、もう60年以上となります。人の歌を読んではいつも感動しています。感動を人に与えることができたら、幸せなことです。そんな気持ちで歌を続けてきました。

 3週間前に妻を亡くし、心がまだ定まっていません。この賞を励みにして、これからも歌を詠み続けていこうと思います。

◆選者・佐藤さんから

 最優秀賞は、阿部さんの作品。

 <妻と吾の縁(えにし)のひもの結び目をしっかり見つめ杖をつくなり>

 「縁のひもの結び目」に惹きつけられる。自分と連れ合いの縁はどこにあったのか。縁がつながった後、人生の困難を2人の知恵で越えてきたからこそ今がある。人生的な作品は、単なる自然描写的な作品にはない魅力がある。

 中山さんの作品は<軍馬とは知らぬ若駒(わかこま)勇みおりなだめ送りし父若かりき>。農耕馬が軍馬として招集された時代があった。戦前で若い父も悲しかったはず。

 木村さんの作品は<夕刻のディから戻る妻の手に「つくりました」と飛べない折り鶴>。妻が施設で作った折り鶴を「飛べない」と詠む作者の心情を読み取らないと鑑賞は成り立たない。

 
【俳句】

◆最優秀賞・紺野さん、喜びの声

最優秀賞・紺野透光さん

 この度は大変素晴らしい賞を頂戴し、ありがとうございます。選者の石母田星人先生には選評などで多くのお褒めの言葉を頂き、ありがたいことです。その言葉一つ一つが、日々生きていく上での大いなる力になっています。

 俳句を始めたのは、30代後半のことでした。途中、作句するのを一時やめたりした時期もありましたが、続けてきてよかったです。今後とも日常のささやかな思いを一句に託すべく、ますます精進してまいりたいと思います。

◆選者・石母田さんから

 紺野さんは、前年度の優秀賞受賞者。本年度も1年を通して投句してもらった。柔軟な思考に基づいたイメージの膨らまし方が巧み。その独特な感覚に磨きがかかって佳作がそろった。<反骨の心微かに我鬼忌かな><喪帰りの影吸はれゆく寒夕焼>などドラマ性のある句が光った。

 三浦さんの作品はどれも前年以上の出来栄えだった。<山背くる被災の浜は風の浜>の重く深い表現や<落葉道左右の足の音違ふ>の詩人の耳を駆使した発見の句などに注目した。

 伊藤さんも熱心な投稿家。この1年も珍しい感性を見せてくれた。<ストローの向きをくるりと春の風>などの写生に基づくイメージは説得力があり、独自の観念世界を構築する。

【2018年3月31日(土)石巻かほく掲載】


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