(129)“新婦・新郎?”

 先日、結婚式に招かれました。式は教会のチャペル。ステンドグラスから柔らかな光が射す中、フルートが奏でるのはおなじみゴスペルの名曲“ Amazing Grace ”「アメージング・グレース」。amazing は「驚くべき」、grace は「神の恩愛」という意味です。

 この曲を作詞したジョン・ニュートン( John Newton、1725-1807)は「奴隷貿易」に携わる船乗りでしたが、あるとき船が嵐に遭い奇跡的に助かりました。この時、彼は神の恵みに目覚めたと言われています。

 歌詞の中に次のような一節が。

 “ I once was lost but now am found, Was blind but now I see. ”
 「さまよっていた私を神は救ってくださった。見えなかった神の恵みを今は見出すことができる」

 いよいよ、開式。父親と腕組みしながらベールをかぶった花嫁が入場。新郎が待つ正面に向かって、座席列の間の通路をしずしずと。

 この通路のことを 英語で aisle(アイル)と言います。新幹線の「通路側」の英語表示にもこう記されていますね。

 さて、花嫁すなわち新婦は英語でご存知 bride(ブライド)ですが、新郎はあまり知られていないようです。bridegroom(ブライドグルーム)もしくは短く groom と言います。

 そして「新郎・新婦」は、 bride and (bride)groom、つまり「新婦新郎」で日本語と順序が逆になるのです。どうして花嫁が先に来るのか、よく分かりません。

 おそらく、おなじみの“ Ladies and gentlemen, …”「紳士淑女の皆さん…」と同じで、「レディファースト」( ladies first )の慣習に由来するのかもしれません。

大津幸一さん(石巻専修大人間学部教授)

【2018年3月13日(火)石巻かほく掲載】


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