誰のため?(河北新報社石巻総局・鈴木拓也)

水紋

 何を守っているのだろうと首をかしげずにいられなかった。

 石巻市は今月、「市立学校が給食費の返金処理を行っていなかった」と市議会で明かした。保護者から集めた給食費のうち、休校や学校行事で提供されなかった給食分を保護者に返すのを怠っていたという。

 ミスがあった市立学校は1校というが、小学校なのか中学校なのか不明だった。市教委に尋ねると、担当者から「どちらか言えない」と予期せぬ答えが返ってきた。

 「えっ?」と思わず言葉に詰まった。学校名ではなく、小学校と中学校のどっちで起きた事案なのかを聞いただけだ。

 「隠す話ではない」と言えば「隠しているわけではない」。

 「何で明かさないのか」と聞き直せば「市議会で説明した以上のことは言えない」と押し問答になった。

 一度持ち帰って検討してもらったが、「小学校か中学校か分かれば限定される。学校が特定されれば、子どもたちが不安になる」と言う。

 未返金のお金を保護者に渡せば、その時点で当事者たちは自分の学校だと分かる話だ。それでも担当者は「自分が知っているのと、他の人が知っているのは違う。それが知られたら子どもたちに精神的なショックがある」と真顔で説明する。

 しかし今回の事案が周囲に知られ、不利益を被るとすればミスをした学校だけだ。子どもたちに影響が出るとの説明は最後までふに落ちなかった。

【2018年2月27日(火)石巻かほく掲載】


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