男の仕事、女の仕事(相沢美紀子)

水紋

 「外で働くこと、家族にどう理解してもらっているの」

 同世代の女性たちに相次いで尋ねられ、答えに詰まった。

 彼女たちは子育てが一段落し、家族を説得して再び勤め始めたが、夫が帰宅するまでに家事を完璧に終えていないと不機嫌になられたり、夕飯が手抜きだと怒鳴られたり。そんな毎日にクタクタだという。

 夫婦で分担できたら、随分楽なのに。家事は女性だけの役割ではない。

 石巻地方で女性の就労を支援する団体によると、再就職を望んで訓練を受けた女性が、家族に反対されて諦める事例が少なくないという。家事がおろそかになる、おしゅうとめさんが息子に家事をさせたがらない、そんな理由らしい。

 育児に協力的な「イクメン」という言葉が一般的になったが、一部では「男性は外で働き、女性は家を守る」という意識が根強い。女性の社会進出を阻むばかりか、男性に一家の大黒柱という重圧を与え、長時間労働に追われる中で、家事の楽しさや子どもの成長を体感する機会を奪っている側面がある。

 石巻地方は東日本大震災後、労働人口の減少が課題だ。人手不足が原因で、生産規模を縮小せざるを得ない工場や、受け入れ数を制限せざるを得ない高齢者施設の数々。「スタッフ急募」の張り紙を見ない日はない。

 やりがいも苦労も、男女で分かち合えないものか。旧来の価値観にとらわれ、家族関係も地域経済も疲弊するのはもったいない。

(相沢美紀子)

【2018年2月20日(火)石巻かほく掲載】


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください