待機児童(相沢美紀子)

水紋

 「保育所入れそう?」

 育児休業中の女性と打ち解けられる話題はこれに尽きる。

 1年間の育休を取得し、10月に復職した。待機児童の娘を実家に預け、片道1時間かけて通勤している。

 石巻市の2017年度の待機児童数は78人、東松島市は39人、女川町は4人。ただし4月1日現在の統計で、年度途中に申し込み、定員超過で入所できない子は含まれず、実態はもっと多い。

 「待機児童ゼロ」をうたう自治体も状況は同じだ。

 職場と実家の中間地点にある松島町に住んでいるが、入所希望が4月2日になった時点で待機児童だ。一時預かりはその受け皿となり、予約でいっぱいの日がほとんど。石巻市内の認可外保育施設も、年度途中からの入所は容易でない。

 待機児童問題を背景に、育休は2年まで延長できるようになった。しかし、小規模事業所が多く、人手不足が深刻な石巻地方では申請しにくいという声が少なくない。預け先がない現状を職場に理解してもらえず、退職を選んだ友人もいる。

 政府は幼児教育・保育の無償化を閣議決定したが、優先してほしいのは待機児童対策。保育所探しに奔走する保護者や、重労働なのに低収入で離職する保育士、保育士不足で定員未満の児童しか預かれない保育所の叫びが聞こえないらしい。

 そんな思いを抱えながら取材に出る日々だが、「預け先がなければ連れておいで」と気に掛けていただけることに、気持ちだけでも救われている。

【2017年12月14日(木)石巻かほく掲載】


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