町民弁論大会(河北新報石巻総局・古関良行)

水紋

 女川小5年の山内友結(ゆい)さんが、聴衆約180人を前に堂々と話す。

 「私は将来、ジャーナリストとして貧困について伝えたい。苦しんでいる人を救えるのなら」

 今月5日に女川町であった女川町民弁論大会。審査員の一人として出席して、レベルの高さに驚いた。

 小学生の部で最初に登壇した友結さんは、本『世界がもし100人の村だったら』を読んで「17人はきれいで安全な水を飲めない」と知った。貧しい人々に愛を注いだマザー・テレサを通して世界へと視線を向け、自分で調べる大切さを実感する。そしてジャーナリストを夢見る。

 思いを伝える背景や論旨の背骨がしっかりしていて、「これが小学5年生か」とうなった。その後、登壇した人も熱い弁論が続いた。

 脚の障がいについて語った小学5年生、父親から努力の意味を学んだ中学生、大学を休学して女川町で働く女性…。子どもから大人まで15人が思いを訴えた。

 前を向いて生きようとする姿勢や熱意にあふれた発表が多く、心に残る弁論大会だった。

 この大会、主催するのは石巻高同窓会女川支部の「女川鰐陵(がくりょう)会」と町内の経済人団体「金曜会」。住民が企画する、住民による弁論大会は県内では他に例を知らない。

 1964年に始まり、東日本大震災で一時休止したが、49回を数える。来年は節目の50回となる。半世紀の歴史を刻む大会に女川の気概を感じる。

(河北新報石巻総局・古関良行)

【2017年11月28日(火)石巻かほく掲載】


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