俳句(11/11掲載)

俳句

【石母田星人 選】

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勝ち残る騎馬戦の女子秋気澄む  (石巻市桃生町・西條弘子)

【評】清々しく澄みわたった大気の中での運動会。上五の「勝ち残る」が一句を生き生きとさせている。土台3人と上1人の騎馬。彼女たちは今、一つ勝った喜びと興奮をかみしめながらも、次の競争に挑もうとしている。抜群のチームワークの4人。引き締まったその表情は美しい。応援席も熱気を帯びてきた。

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草の花いつもなれども物忘れ  (石巻市中里・鈴木登喜子)

【評】草の花とは秋の草花のこと。華やかなものもあるがむしろ地味なものが多く何となく寂しい感じの美意識が働く。山道でそんな花のひとつに出合った。覚えたはずなのにこの花の名がなかなか浮かばない。また会えたという喜びもあるが、名前が出ないというもどかしさの方が大きい。中七はそんな胸中の表白。

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神発つ日舳先の揃ふ舟溜  (石巻市相野谷・山崎正子)

【評】神は出雲大社へ向けて旅立たれた。その日の海は神送りの暴風となった。命の母胎である海と神に対する畏怖を、「舳先の揃ふ」で巧みに表した。

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炯炯とダリの眼光七かまど  (石巻市中里・川下光子)

【評】意識下の幻想世界を描いたダリ。作品や彼のひげの形を詠んだ句はあるが、ここでは今までにない炯炯(けいけい)たる眼光が詠まれている。赤い実からの連想か。

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野の果に声残し行く雁の列  (石巻市相野谷・戸村昭子)

紅葉濃き庭石つたふ伊達の廟  (石巻市飯野・高橋芳子)

木犀の金降りしきる仁王門  (東松島市矢本・紺野透光)

賢治忌や古民家カフェの紙芝居  (石巻市小船越・加藤康子)

どんぐりを拾い童話の夢開く  (石巻市吉野町・伊藤春夫)

踏切の音ここちよき寒露かな  (石巻市駅前北通り・小野正雄)

山茶花の蕾膨らむ朝の庭  (東松島市矢本・雫石昭一)

山並に夕日残りて刈田かな  (石巻市広渕・鹿野勝幸)

夢に又布裁つ母の夜なべかな  (石巻市大森・横山つよし)

栗駒の雲海の果て秋盛り  (石巻市北上町・佐藤嘉信)

一輌を伏して見送る花すすき  (石巻市小船越・三浦ときわ)

有の実の食べ比べする蔵王かな  (仙台市青葉区・狩野好子)

墨とりて硯に落とし秋麗  (石巻市桃生町・佐々木以功子)

廃校の黒板にメモ鳥渡る  (東松島市野蒜ケ丘・山崎清美)

菊まつり歓談つづく蟹あるき  (石巻市開北・星雪)

千歳飴引き摺りながら手をひかれ  (東松島市あおい・大江和子)

【2017年11月11日(土)石巻かほく掲載】

■作品を募集中

 短歌、俳句、川柳を募っております。皆さんの力作をお寄せください。

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 短歌、俳句、川柳とも必ずはがきを使い、1枚に3首・句まで。いずれも自作の未発表作品に限ります。作品は返却しません。

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