2017/11/11 劇団 短距離男道ミサイル「走れタカシ~僕が福島まで走った理由」石巻公演

短距離男道ミサイル、石巻公演

客席を両脇に設けた舞台空間で見せた3人

短距離男道ミサイル、被災地走る
道化に徹し観客巻き込む
いしのまき演劇祭盛り上げ

 仙台を拠点とする劇団「短距離男道ミサイル」の石巻公演が11日、ロングビーチハウスで行われた。単独公演だったが、ちょうど開催中のいしのまき演劇祭を側面から盛り上げる格好となった。

 代表の本田さんは「一役買えてうれしい。今度は実際に参加して、内側から活気づけたい」と話した。

 石巻公演は3月の「母さん、たぶん俺ら、人間失格だわ」に続く2回目。「母さん…」は太宰治の小説「人間失格」を骨子にした作品だった。太宰作品を自分たちに重ねて舞台化してきている。

 短距離男道ミサイルは型破りな劇団だ。演じるのは3人の男優。が、開演を間近にして1人の姿が見当たらない。会場となったロングビーチハウス(石巻市渡波浜曽根)に向かって今、街中を激走中という。しかも約10キロの道のりをだ(これを公演都市ごとに実施しているから驚き)。

短距離男道ミサイル、石巻公演

ランニングマシンで走りながらの熱演

 果たして“約束”(開演)の時間に間に合うのか。まるで太宰治の小説「走れメロス」だ。

 そう言えばタイトルが「走れタカシ~僕が福島まで走った理由(わけ)~」。「走れメロス」から着想を得た劇だった。

 タカシを演じている男優も加藤隆。出身は福島。本人と役が重なる。この劇団の特徴だ。自分たちをさらけ出し、道化に徹して自虐ネタを盛り込んで1時間余を突っ走る。さらけ出すのは内面ばかりでない、外見もだ。失うものはないとばかり、最後は裸に近い格好になって演じる。その熱量が凄い。

 しかも会場にはランニングマシン。スイッチを入れて、動き出したマシンの上でタカシが走り出した。走りながらセリフを言う。芝居を通り越して体力、爆発力にただただ圧倒される。

 東日本大震災の被災地である古里や、劇団の仲間に対するさまざまな感情を抱えながら激走するタカシを、観客は“沿道”から声援を送る。店の両側の壁に客席を設けて、その真ん中を舞台に見立てた作りはまさに観客参加型の劇場空間だった。

 走るのはタカシだけでない。劇団そのものが熱走。代表の本田椋と小濱昭博との3人で、東北6県ばかりか、今回は熊本まで40日余かけて走り続けた。車1台で巡った。

 一つの思いで走り続けた。劇団は震災の年に生まれた。被災した市民を励ましたい、復興に向けて自分たちにできることは何かないか、と。彼らの熱いテンション、エモーションが観客を元気にし、笑いを生んでいった。(文)

【2017年11月24日(金)石巻かほく掲載】


仙台拠点の劇団・短距離男道ミサイル
あす石巻公演

 仙台を拠点とする劇団「短距離男道ミサイル」の石巻公演が、11日午後7時からロングビーチハウス(石巻市渡波浜曽根)で行われる。

 同劇団は、男優が上半身裸になったりする演技スタイルが特徴で、石巻公演は3月の「母さん、たぶん俺ら、人間失格だわ」に続く2回目。

 「母さん…」は太宰治の小説「人間失格」を骨子にしていたが、今回の上演作品も太宰の小説「走れメロス」から着想を得て創作した「走れタカシ~僕が福島まで走った理由(わけ)~」。東日本大震災の被災地である古里や劇団の仲間に対するさまざまな感情を抱えながら激走し、人生と向き合っていく、タカシの物語。

 震災後の2011年4月に発足した同劇団らしく、人を元気づける作品になったという。

 巡回公演で、仙台市を皮切りに北九州市、東北地方を回り、ラストは熊本市(18、19日)を予定。

 料金はVIP6500円、一般3500円、高校生以下2000円。フード&ワンドリンク付き。

 連絡先はボクシーズ022(353)9755。

 同劇団は、現在開催中のいしのまき演劇祭には参加していないが、側面から演劇祭を盛り上げる。独特の笑いのセンス、ライブ感で演劇祭に沸く石巻地方に、熱い芝居の風を運ぶ。

【2017年11月10日(金)石巻かほく掲載】


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