第一歩(青山未来)

水紋

 東日本大震災から間もなく6年半。石巻市雄勝町大浜地区に、雄勝小・中を併設する待望の新校舎が完成し、2学期から利用を開始した。26日に現地で落成式があり、取材に赴いた。

 式での、渡辺遥人君(11)=雄勝小6年=の言葉が忘れられない。

 「僕は雄勝が大好きです。今、雄勝は復興の最中です。今、雄勝にはお店がありません。人や家もあまりありません。今、雄勝に必要なものはたくさんあります。雄勝に住む人が増えてほしい。僕たちはここ雄勝で、そんなことを考えています。雄勝の未来を変える一番の近道は、僕たちの成長だと思います。新しい校舎でよく学んで遊び、僕たちは一生懸命頑張ります」

 震災前は約4300人の住民が生活していた雄勝町。2017年7月末で、約1700人にまで減った。大幅な人口流出は、復興の遅れが大きな要因だろう。市は、雄勝町の防災集団移転団地の整備完了を2年後に見込んでいる。

 しかし、今年4月には、震災で被災し休所していた雄勝保育所が開所した。雄勝町唯一の保育施設に、小・中学校の新校舎完成。古里の未来を担う子どもたちが戻ってくることは、復興への大きな推進力になる。

 渡辺君が落成式で言っていたように、雄勝にはまだないものがたくさんある。けれども、6年半も待ったのだからこそ、新たな学びやの誕生は、雄勝の未来を変える第一歩になったのだと、信じずにはいられない。

(青山未来)

【2017年8月31日(木)石巻かほく掲載】


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