(101)お盆

 今年もお盆が巡ってきました。

 アメリカの友人から尋ねられたことがあります。「お墓に花を供え、お参りするのは私たちと同じだが、さらに家の仏壇に花や果物やお菓子を供え、手を合わせるのはどんな意味があるんですか」と。

 偉いお坊さんの話を思い出しました。「お墓は亡きがらが眠る、言うなれば亡き人の宿所。そこにお参りするということは、ご先祖の霊をお迎えに行くこと。そして迷わぬよう、家の門に迎え火を焚き、仏壇にお招きするのです」

 これだけのことを外国語で説明するのは、けっこう大変です。

 英語を勉強している中高生の皆さん、“ Hello, how are you? ”といった会話だけでなく、このような日本の文化や習慣を英語で発信できるくらいの力を身につけてほしいと思います。

 ここでは基本的な用語だけを紹介しましょう。

 まず「お盆」。これは日本の風習ですから、英語では“ Bon ” “ Obon ”と表すしかありません。そして、“ It is a Japanese Buddhist custom to honor the spirit of one’s ancestors.”「祖先の霊を供養する日本仏教の風習です」と説明を加えればいいでしょう。

 「お墓参り」は「先祖のお墓を訪れる」と割り切って解釈し、“ a visit to the grave of ancestors ”と英訳します。

 「線香」は“ Japanese incense stick ”(incense = 香)、「仏壇」は“ family Buddhist altar ”(家庭の仏教の祭壇)、「お経を読む」は“ read the sutras ”、「合掌」は“ join hands in prayer ”(祈りつつ両手を合わせる)などと表します。

 昨年、アメリカの首都・ワシントンを訪れた折、「アーリントン国立墓地」( Arlington National Cemetery )に参拝。青々とした木々や芝生に囲まれ、「無名戦士の墓」( Tomb of the Unknowns )が静かなたたずまいを見せていました。

大津幸一さん(石巻専修大人間学部教授)

【2017年8月15日(火)石巻かほく掲載】


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