ドラマ(大谷佳祐)

水紋

 第99回全国高校野球選手権大会宮城県大会は、仙台育英高の優勝で幕を閉じた。

 石巻勢が甲子園の舞台に進むことはできなかったが、石巻工が2005年以来の8強入りを果たすなど各校が健闘した。

 優勝した仙台育英の佐々木順一朗監督は準決勝終了後のインタビューで「連戦で不利な状況だが、どんでん返しがあるからドラマは面白い。決勝でそれができるのは、うちだと思う」と答えていたが、石巻工にも負けないドラマがあった。

 7月27日に石巻市民球場で行われた仙台二高戦。前日の石巻西高との地元対決を制した石巻工は連戦の疲労もあってか先制点を許す苦しい展開。1点を追う九回裏も2死まで追い込まれた。

 しかし選手は諦めず、2死一塁で、6番阿部太の三ゴロが敵失になり同点。続く植木のサヨナラ打で勝利した。

 8強入りが決まり、利根川直弥監督は「打線は2安打で守りもミスが多かった。本来であれば完敗、それでも全員の心が折れなかった。奇跡ですね」と驚いた様子。

 「野球は2死から」。野球に詳しい人でも、そうでない人も一度は聞いたことがあるであろうこの言葉。選手だけでなく、観客も含めた球場全体が盛り上がった瞬間に、取材をしていたこちらも胸が熱くなった。

 県内では各校が新体制に移行して行う秋の地区大会がまもなく始まる。来年の夏に向けて歩み出した石巻地方の野球部に、これからも注目していきたい。

(大谷佳祐)

【2017年8月10日(木)石巻かほく掲載】


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