(100)夏休み

 祭り、海や山、そして自由な時間に子どもたちは大はしゃぎ。「オー・バカンス!」- 夏にフランスを旅した時、よく耳にした言葉です。

 “ Aux vacances! ”

 意味は「バカンスへ!」。この季節、パリっ子は田舎や海辺の避暑地へ大移動、パリにいるのは外国人観光客ばかり…。たしかに、フランスの人々はしっかりと休みを取ることで知られています。「バカンス」vacances はフランス語で「休暇」、しかも「長期休暇」を指します。

 では、英語で「休暇」は?

 そうです vacation。1960年代、弘田三枝子が歌って大ヒットさせた「ヴァケィション」。“ v-a-c-a-t-i-o-n 楽しいな ” こう口ずさむうち、この長い綴りを覚えた御同輩も多いのでは?

 「バカンス」と「バケーション」、このどちらもラテン語の vacare(ヴァカーレ)を語源とします。意味は「空白であること」。言うなれば「(仕事の合間に)ボッカリあいたもの」。

 vac-「空(くう)」と聞くと、皆さんは、もう一つの英語を思い浮かべることでしょう。

 vacuum「バキューム=真空」。この言葉も「バカンス」「バケーション」と語源は同じです。「電気掃除機」は 「バキューム・クリーナー」( vacuum cleaner )、「バキューム・チューブ」( vacuum tube )は昔懐かし「真空管」。ただし、「バキューム・カー」は和製英語です。

 さらに、vacant「空(から)の」も派生語の一つ。vacant seat は「空席」を表します。

 また、イギリス英語では仕事の休みを表す一般的な語は holiday で、vacation は、主に大学や法廷の休暇を表すということも知っておきましょう。

 身も心も空っぽにしてこそ、新しいものも入ってきますね。たとえ数日でも、「オー・バカンス!」

大津幸一さん(石巻専修大人間学部教授)

【2017年8月8日(火)石巻かほく掲載】


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