(99)祭り

 今日は恒例の「石巻川開き祭り」。

 住吉の川岸(かわっぶづ)で生まれ育った私にとって「かわびらぎ」は夏の最高の楽しみでした。昼は浴衣を着せられて町を歩き、日が暮れると川辺に敷かれたゴザの上に家族や親戚と一緒に座り、向こう岸の山から上がる花火をおそるおそる眺めたものでした。

 「祭る」は「祀る」とも書き、「供物・奏楽などをして神霊を慰め、祈願する」を意味し、「奉る」と語源が同じとのこと(「広辞苑」)。

 英語では、ご存知 festival(フェスティバル)ですが、こちらは「楽しい」という意味のラテン語 fēstīvus(フェスティヴ)が語源です。

 また、最近「フェス」「フェスタ」という言葉を耳にするようになりました。「音楽フェス」など。「フェス」はフェスティバルの略形と考えられますが、「フェスタ」は何に由来する言葉でしょう。

 「祭り」を表す主なヨーロッパ語をちょっと並べてみましょう。
   fiesta(フィエスタ=スペイン語)
   festa(フェスタ=イタリア語)
   fete(フェット=フランス語)
   fest(フェスト=ドイツ語)…
 いずれも festival と同じ fēstīvus「楽しい」を語源とします。

 どうやら「フェスタ」はイタリア語に由来するようです。

 さて、フェスティバルというと自然と思い浮かべるのが、「カーニバル」(英語 carnival )。語源についてはさまざまな説がありますが、carne vale(カールネ バーレ)「肉( carne )よ、さらば」という解釈がよく知られています。

 復活祭(イースター)の前にカトリック教徒は懺悔を行い、肉を絶つ。そして、その苦行の前に大いに肉を食べお祭り騒ぎをする…「謝肉祭」(謝=わびる、ことわる、別れる)と訳されているのは、このような説に由来すると考えられます。

大津幸一さん(石巻専修大人間学部教授)

【2017年8月1日(火)石巻かほく掲載】


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