やりきる(横井里花)

水紋

 先日、プロゴルファーの宮里藍さんが引退会見を開いた。
 「モチベーションの維持が難しくなったのが一番の決め手」
 「これ以上ないゴルフ人生だった」
近年は成績が思わしくなかったとはいえ、元世界ランキング1位の実力者。引退の決断には驚いたが、宮里さんはプロである以上、理想とする姿にまい進する意欲が戻ってこないことを理由に、一線を退く決意をした。

 4月には、スケート選手の浅田真央さんも引退を決めた。浅田さんは会見で「気持ちも体も自分の気力も、全部出し切った。何も悔いはない」と言い切った。代名詞と言われたトリプルアクセルや、けがに苦しんだ時期もあった。それでも必死に氷上で舞い、跳び続けた。まさにボロボロになるまで競技に向き合ったと思う。

 チームスポーツなら戦力外通告で引退を決める例もあるが、引き際の決断は、気持ちの面で区切りが付くか、体力や技術の限界が理由がほとんどのパターンだと思う。ただ、どちらにしても、心の中には少なからず「やりきった」という思いがあるのではないか。

 宮里さんと浅田さんからはすっきりした、晴れ晴れとした印象さえ感じた。

 引き際の話に限らず、やりきることは日々の生活でも大切だ。小さな「やりきった」の積み重ねが、大きな達成感につながる。ゴールや目標を掲げ、広い視野を持つのは大事だ。そのためにもまずは、目の前のことから見詰めていきたい。

【2017年6月20日(火)石巻かほく掲載】


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