石巻とハワイ(河北新報石巻総局・古関良行)

水紋

 石巻とハワイは歴史的にも古く、深いつながりがあるんだなあ。ハワイから石巻を訪れた方と先日、杯を交わしながら、つくづくそう思った。

 中込真澄さん。宮城で育ち、今はハワイに住んで移民などの歴史を掘り起こしている。『ハワイを拓(ひら)いた日本人』(幻冬舎)という本を昨年著した。宮城県からの移民に光を当てている。

 日本最初の移民がハワイに向けて船出したのは1868年。慶応から明治に年号が変わった年で、移民153人は後に「元年者(がんねんもの)」と呼ばれた。その元締が、石巻出身の牧野富三郎であった。

 富三郎は日本との連絡役を務め、奴隷のように扱われる日本人の待遇改善に尽力した。後に米サンフランシスコに向かうが、その後の足取りは定かではないという。

 石巻とハワイといえば、日本に残る記録上、初めてハワイに到着した日本人は石巻の「若宮丸」の一行だ。東日本大震災で石巻市雄勝町からハワイに漂着した和船が昨年帰還した縁もある。

 来年、つまり2018年は「元年者」が移民してから150年となる。

 「ハワイの日系社会では節目に合わせ、さまざまな形で盛り上がっているわよ」。中込さんは酔いも手伝ってか、弁舌に力がこもる。「石巻は何してるの? 何もやらないの?」

 確かに、石巻とハワイが友好を結ぶ動きがあってもいい。行政はあまりアテにならない。まずは民間レベルで交流し、友好の潮流をつくれないだろうか。

(河北新報石巻総局・古関良行)

【2017年6月1日(木)石巻かほく掲載】


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