(88)マスクとマスカラ

 外国語を学ぶ面白さの一つに、「比較」があります。

 たとえば、日本語では服は「着る」、帽子は「かぶる」ですが、英語はすべて wear で表せます。 wear shoes(靴を履く)、 wear glasses(眼鏡をかける)といったように。

 逆に、日本語が便利という場合もあります。犬の子どもは「子犬」、羊の子は「子羊」と「子」を付ければいいのですが、英語は、dog の子どもは puppy、sheep(羊)の子は lamb と、全く別な語になります。

 さらに、言葉に限らず、文化や習慣の違いに眼を向けることも。最近不思議に思うことがあります。マスクです。風邪や花粉症が流行っている時期にマスクをするのは当然でしょう。しかし日本では、特に冬から春にかけて、通りや電車で見かける人のおよそ半数はマスクをしています。朝ウオーキングをしているご夫婦が、そろって帽子にマスクというのも珍しくありません。

 一方、欧米を旅して、マスクをしている人を見かけることはほとんどないのです。

 風邪や花粉症などに苦しんでいる方々は別として、私たち日本人はマスク愛好者と言えるかもしれません。それはそれでいいのです。国民的習慣のようなものですから。

 「マスク」は、英語の mask に由来しますが、元々の意味は何と、「人の目を欺くもの」ということです。

 関連する語には、洋画などで見る「仮面舞踏会」masquerade(マスカレード)。そして「マスカラ」があります。 mascara と綴りますが、「仮面」という意味のイタリア語 maschera(マスケラ)が語源です。

 「マスカラ」を用いて女性の皆さまはどう変身するのでしょうか?

大津幸一さん(石巻専修大人間学部教授)

【2017年5月16日(火)石巻かほく掲載】


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